日台連携しメタバースで世界をリード 産業連携フォーラムに130人参加
日本と台湾が協力して、インターネット上の仮想空間「メタバース」を活用した事業戦略を考える「日台メタバース産業連携フォーラム」が10日、東京都新宿区の新宿住友ビルで開かれた。日台のメタバース関連事業者ら約130人が参加し、最新の取り組み事例を紹介。それぞれの強みを生かして世界をリードしていく道筋について意見を交わした。 日本の経済産業省に相当する台湾政府経済部と台湾貿易センターが9~11日まで同ビル三角広場で開催中の「TAIWAN EXPO in日本」の一環。フォーラムには台湾経済部国際貿易署も協力し、「AI(人工知能)からリアルへ、メタバースのフロンティア」をテーマに開催した。 開会のあいさつに立った台湾貿易センターの王熙蒙秘書長は「台湾は半導体、日本はAI、ゲーム、最先端のロボット工学に深い知見や歴史を持ち、いずれもメタバース分野で世界のトップを走っている」と前置き。その上で、台湾の半導体技術を生かし「日本の魅力的なデジタルコンテンツの発射台のような役割を果たしていきたい」と協力関係を強化していく姿勢を強調した。 基調講演では同センターの李牮斯シニアアドバイザーが「AIのおかげでメタバースは身近なものになった。ビジネスモデルを変え、規制を変えてきたが、もっと重要なことはメタバースには国境がないことだ」と指摘。「どこの国の人かという以前に、誰が人間で誰がAIかも分からなくなれば、AIと一緒に成長し、一緒に働き始める世界になる。我々はAIが創り出す新しい世界、つまり宇宙に足を踏み入れようとしている。そうした世界で台湾と日本は互いに貿易するだけでなく、共に探求し、価値観を共有していくことが重要だ」と訴えた。 続いて登壇したメタバースジャパンの馬淵邦美代表理事は「これまで全て手作業で行っていた3Dモデルの構築もメタバース上で簡単にできるようになった。さまざまな技術要素がある中で、我々にはまだまだ戦える余地がある。日本と台湾がつながっていくことで課題を解決し世界を良くしていくことができると心から思っている」と期待を込めた。 事例紹介では日本と台湾のメタバース事業者各3社が最先端の取り組み事例を発表した。 「TAIWAN EXPO in日本」にはモビリティーやヘルスケアなどをテーマに135社が出展している。
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