【大学野球】早大がリーグ最多47度目Vを遂げた理由 主将・印出太一×副将・吉納翼「優勝特別対談」
「ここからが勝負だと引き締めて」
――慶大1回戦。吉納選手が放った2本塁打(4打点)をどのように見ていますか。 印出 早慶戦前、早稲田スポーツの取材でキーマンを聞かれた際に、吉納の名前を真っ先に挙げたんです。「絶対に打ちますから!!」と。本当に大事な場面で復活してくれると思っていたので、翼のホームランで流れがきて、翼のホームランで試合が決まったという感じで……。大事な1回戦で、手ごわい相手を圧倒できたのは、投手を引っ張っていく上でも楽でしたので、本当に助かりました。 吉納 優勝がかかった早慶戦に持ち込めたのも、チームメートの頑張りのおかげです。自分も最後に貢献できたので、良かったです。 ――印出選手はリーグ最多17打点です。 吉納 チームとして戦っているので、自分を含め、細かい数字までは気にしていませんでしたが、得点をしている中で、そのシーンを思い返すと四番・印出でした。逆に言うと(三番の)自分がかえしていなかったので、大学選手権では自分が引っ張って、印出が楽に打席に立てる状況にしていきたいです。 ――最もつらかった時期は? 印出 冬の練習はきつかったです。3月の沖縄キャンプ終わるぐらいまでエンジンを上げてやっていましたし、体もしんどかったです。昨秋の負けから、春に向かっていくのは簡単ではありませんでした(昨秋は勝ち点を取ったほうが優勝の早慶戦。早大は1回戦で先勝も2、3回戦で連敗)。強いメンタルと体が必要で、吉納を含めて4年生が周りを見て動いていたので、大変だったと思います。 吉納 印出は中学時代から知っているんですが中学、高校、大学とすべてキャプテン。そんな簡単にこなせるものではないと思うんですけど、淡々とチームを回しているのは尊敬します。そういったキャプテンの姿勢が、結果に結びついたことは間違いありません。
――6月10日には全日本大学選手権が開幕します。あらためて「大学日本一」への意気込みをお願いします。 印出 自分はとにかく黙って練習して、結果は神宮で見せて、早稲田の信頼を取り戻すんだというところからスタートしているので、一つ形として春にリーグ優勝ができたので、ようやく日本一を目指していい、資格のあるチームになってきたなと感じるので、日本一という目標を新たに掲げてやっていきたい。 ――信頼は取り戻せましたか? 印出 一つは、ですね。勝ち点5の完全優勝なので、勝ち方としては完璧な形だと思うので、全日本でもみっともない姿を見せないように、一戦一戦、戦っていきたいと思います。 吉納 大学野球の最高峰である東京六大学リーグで優勝して、天皇杯を奪還したんですけど、本当の強いチームという意味では、ここから勝ち続けないと意味がないと思います。ここで(大学選手権)仮に負けたとしたら、世間から「浮かれている」と思われても仕方ない。ここからが勝負だと引き締めて「強い早稲田」を見せつけていきたいと思います。 文=岡本朋祐
週刊ベースボール