「闘おう」という尹大統領に鼓舞された支持者たち…「死ぬ覚悟で共に闘う」
「今、私たち一人ひとりがみなエンジンだ。(その通り!)死ぬ気で本日、共に闘いましょう」 「内乱罪容疑者」尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の逮捕状の執行を控えた2日午前、大統領官邸へと向かう各路地には、星条旗と太極旗を手にした大統領の支持者が集まっていた。前日に尹大統領が彼らに送ったメッセージによって、支持者たちは大いに鼓舞された様子だった。 この日、ソウル龍山区漢南洞(ヨンサング・ハンナムドン)の大統領官邸周辺の道路は、朝早くから保守団体の会員たちであふれかえっていた。尹大統領の手紙を読んでこの日午前2時に官邸前に来たというJさん(60)は、「泣かずにはいられなかった。特に、最後に共に『闘う』というメッセージからは、強い力を感じた。これを求心点として市民の力を合わせなければならないと考えてやって来た」と話した。 前日、尹大統領は「愛国市民のみなさん」に呼びかけたメッセージで、「国の内外の主権侵奪勢力と反国家勢力の蠢動(しゅんどう)で今、大韓民国が危ない」とし、「みなさんと共にこの国を守るために最後まで闘う」と表明した。これに対しては「適法な手続きを経た令状の執行を妨害せよという扇動」、「衝突と事故の危険へと市民を追い込むもの」という懸念表明や批判が相次いだが、支持者の間では「感動した」、「悲しい」という反応が主流だった。 Lさん(42)は涙を見せながら、「昨日ユーチューブで手紙を見たが、心がとても痛む。憲法によって権限が与えられた大統領なのに、憲法を無視する弾劾と逮捕状の発行は違憲であり、自由民主主義が崩壊しているように思われて心がズタズタだ」と話した。Aさん(47)は「逮捕しに来たら阻む。昨日、手紙を見て、一人でも役に立つかと思って体調が悪いが出て来た」と話した。 大統領官邸から約300メートルほど離れたルター教会の前では、横断歩道を挟んで尹大統領の支持者と逮捕を求める市民がにらみ合った。「尹錫悦拘束」を叫ぶ市民を、ある支持者は罵詈雑言を浴びせながら威嚇した。取材にあたっていた報道機関の記者に対しても、「フェイクニュースを広めている」と言って威嚇する姿勢を示した。ただし尹大統領のメッセージについては、「正規放送で取り上げてくれるとは思わなかった。感動した」と話す人もいた。 大統領官邸へと通じる道の入口の周辺は、警察機動隊の13台のバスと3台のマイクロバスなどが壁のように立ちはだかるなど、警戒が厳重だった。公捜処による逮捕状執行が差し迫っているとのうわさが伝えられると、大統領官邸へとつながる路地の4つの入口は支持者で混雑した。彼らはクェンガリ(鉦)とメガホンの警告音を鳴らしながら「阻もう」と叫んだ。 支持者たちはこの日午後、ルター教会前で新自由連帯などの保守団体が開催した大統領擁護集会に参加した。参加人数は、午後3時時点の警察の非公式推計で6000人あまり。参加者の間では「死ぬ気で共に闘おう」などの強硬な言葉が交わされた。 チョン・ボンビ、コ・ナリン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )