世界が認める岡山デニムを壁に塗るとは…?サステナブルな建材は今、ここまで進化している!
古着屋「DEPT」の代表でありデザイナー、そしてアクティビストとして活動するeriさんと建築家ユニットSUEP.の末光弘和さんと末光陽子さんが一緒に取り組んでいる、ギャラリー兼オフィスの建物をつくる「スタジオ・ユートピア・トーキョー」プロジェクト。サステナブルなアトリエづくりをレポートします。 【写真集】アクティビストeriのアトリエづくりに密着!太陽光パネルをのせてもクールな外観とは? アトリエの外装と内装に使う素材を検討することに。はたして、どんな素材に決定したのでしょうか?
現場の土を再利用してタイルをつくれないか?
外観のデザインの後に検討したのが、外装と内装に使用する素材です。 「素材もeriさんらしいものを使いたい」と末光さん2人が提案したのは、工事の途中で出る現場の土を再利用した素材でした。 建築工事の際に出た土は通常、ほとんどそのまま廃棄されてしまいます。そこで、現場で採取した土をふるいにかけて精製し、粘土に混ぜ込んで活用することを提案。 5%、10%、15%と土の割合を変えたタイルのサンプルをつくりました。 中目黒の土は沖積層で、黒っぽい色合い。割合が5%変わるだけでも表情がずいぶんと変わり、割合が多いほどざらりとした質感になります。 「タイルは嫌いではないし、ストーリーとしてはすごく面白いと思います。でも、工事で出る土を全部使うなど徹底して再利用できるならいいとは思うけど、それはちょっと難しいのかな?」と悩んでいる様子のeriさん。 外壁は他の素材も含めて再検討することになりました。
左官でオリジナルの素材をつくるという提案
次に末光さん2人が提案したのは、内装に使う素材にも現場の土を混ぜた左官材です。左官とは、漆喰や珪藻土など日本に昔からある伝統的な仕上げ材で、現在も新しい素材や工法を取り入れながら、現代の暮らしに合わせて進化しています。 土や漆喰、モルタルなどにさまざまな素材を混ぜ合わせ、コテで塗り方にも変化をつけられるので、オリジナルの質感をつくり出すことができます。 2人は、漆喰を混ぜた滑らかな表情のもの、砂利を混ぜ込んだラフな質感のものなど、さまざまなサンプルを用意しました。 「床に座って会話したり、床に洋服を置いて撮影することもあるので、座ってもあまり痛くない方がいいかも(笑)」とサンプルで質感を確かめるeriさん。 「左官は床だけでなく壁にも使えますし、家具や階段など、いろんなところに塗ることができます。質感を変えながら色合いは揃えるなど、いろんなことができますよ」と陽子さん。