ファイル共有ソフト「ビットトレント」は便利だがリスクも、なぜここにきて利用に伴う損害賠償請求が増えているのか
ファイル共有ソフト「ビットトレント」を使ってAV作品を無料で視聴していたら、プロバイダーから突然、発信者情報開示の意見照会書が来て、その後AV作品の著作権者から損害賠償請求をされる、という相談が増えています。 「自分が加害者になっているなんて知らなかった……」と後悔することのないよう、ファイル共有ソフトを使う際の注意点を知っておきましょう。 ファイル共有ソフトは、大きく分けて2種類あります。1つ目は、オンラインストレージを使ったファイル共有サービスで、サービス提供者のサーバーにユーザーがアクセスしてファイルを共有します。仕事でファイルを共有する場合は、ほとんどがこのパターンだと思います。
2つ目は、P2Pという仕組みで行われる、個々のユーザーのパソコンがネット上で直接つながり、ファイルのやり取りをするという仕組みのソフトです。今回問題となるのはこの2つ目のファイル共有ソフトの1つ「ビットトレント」です。 ■ビットトレントってどんな仕組み? 細かい点は省略しますが、ビットトレントの仕組みで特に注意が必要なのは以下3点です。 ①特定のファイルをピース(ファイルの一部)に細分化して、分割された個々のピースをビットトレントネットワーク上のユーザーに分散して共有させる仕組みである。
②他のユーザーから個々のピースをすべてダウンロードして完全な状態のファイルを保有すると、今度は別のユーザーからの求めに応じて当該ピースをアップロードすることになる。 ③目的のファイル全体のダウンロードが完了する前であっても、すでにダウンロード済みのピースを、他のユーザーと共有するためにアップロードすることになる。 ビットトレントを使うこと自体に違法性はありませんが、ビットトレントを使って共有されたファイルに著作権者がいる場合、上記②や③のピースの送信行為(送信できる状態に置くことも含みます)は著作権侵害となり違法となってしまうわけです。そして、映画、ドラマ、AV作品等の映像作品は、そのほとんどに著作権者が存在します。