ドイツで収穫の秋に感謝しつつ飲む旬な「お酒」
ドイツに住んでから、四季のなかでは秋が一番好きになりました。 暑すぎず寒すぎずのこの季節。テンションマックスの夏を終えた人々は落ち着きだし、これから冬を迎えるんだ、と街には一種の緊張感のような清々しい空気が漂います。 そしてこの時期のBauernhof（農場）やスーパーには、秋ならではの農作物が盛りだくさん。 キリスト教系の学校に通っていた中高時代、秋には「収穫感謝祭」があり、いわれるがままお米やりんごやみかんをお供えしにいったものですが、巡り巡ってヨーロッパに住むいま、農作物の収穫に感謝し、翌年の豊作を祈念する「収穫祭」の意味がようやくわかってきた気がします。 そんな豊作に魅せられすぎて、「食欲の秋」を地でいってしまう昨今。 そして大人の収穫感謝の証には、お酒もいっぱい飲みましょう。 これまでも度々、旬の食材を紹介してまいりましたが今回もめげずにそんな素敵な秋のドイツから旬な「お酒」をご紹介。 その名もFederweisser（フェーダーヴァイサー）です。 一見普通のワインのようですが、正確にはワインになる前、発酵を始めたばかりのぶどう果実の搾り汁。いわば途中段階のワインみたいなお酒です。 9～10月頃、近辺のマルクトやチェーンの大型スーパーにもこのフェーダーヴァイサーが並びます。 このお酒、ドイツにきたばかりの秋に気軽に「なんか美味しそうだ」と購入した際、レジのおばさまに「縦に持ってね」と一生懸命説明されて、ドイツ語わからないなりに頑張って持って帰った思い出。 そう、フェーダーヴァイサーはボトルのなかで炭酸が発生し続けているため、密閉はできません。ゆえに蓋はゆるーく閉まっているので、決して横にしてはならないのです。 白が一般的ですが、今年マルクトで見つけたフェーダーヴァイサーはなんとロゼ。というか、このお店には赤とロゼしかなかった。 お味のほうは……。 あれ!? フェーダーヴァイザーっていちごジュースだっけ？ それともりんご？ と、1年ぶりに飲んだのとロゼの色で脳内混乱。正解は、紛れもなくぶどうです。 とにかくワインではない甘くて美味しいジュースのよう。いわゆる「お酒」が苦手な方にも飲みやすいタイプになっております。 しかし、アルコール度数をみてびっくりの11% 甘くてアルコール度数お高め。これはスイスイ飲んで後にコテっといってしまう危険なタイプのお酒です。その点、気をつけなければなりません。 お酒好きの私からして美味しいかまずいかの評価は置いておいて、フェーダーヴァイサーは「旬」を飲んでる、いやぁ秋だ！ と思わせてくれます。 この時期にいらっしゃる方、日本では絶対飲めない代物なのでぜひぜひ現地ドイツでお試しください。
ヤマザキメグミ
