「常識や価値観が、がらがらと崩れ落ちた」海外に出た医師らが気付いた〝魅力〟 コロナが突きつけた地球規模の脅威「他国の状況にもっと目を向けて」
「日本はガラパゴス化しやすい傾向がありますが、他国の状況にも目を向けてほしい。大陸で地続きの国は、他国でどんな病気が多いのかなどを気にしている。日本は島国ですが、飛行機があり、海外との人の往来も激しくなったので、いろいろな感染症が持ち込まれるリスクが高まっています。 新型コロナウイルスの流行もそうした影響がありました。海外の状況をもっと参考にして、例えば、はしかや結核など、過去に流行した感染症に関しても患者が出るかもしれないといったことにアンテナを張る必要があります。他人事ではない。昔より海外は近くなっている。ただ、日本から海外に出る人は少ない。WHOなど国際機関のスタッフも、日本人は多くない」 ▽個人的にも財産 一方で、海外に出て行くことによって、個人も大きな利益を受けると話す。 「異なる環境に出ることは大きな刺激になる。日本では得にくい経験をすることは、自らの財産になります。エボラウイルスへの対応など国内ではまだ経験のない感染症などの対策に関われることもあります」
日本の医療技術の国際展開の際の懸け橋にもなり得るという。国際的に活躍できる人材を増やすには、どうすればいいのか。市村さんが考えるのは、受け皿だ。「海外に行った人が帰国後、就職先に困らないような体制がもっと充実すれば良いですね」