【ラジオNIKKEI賞展望】3連勝狙うミナデオロはハンデ57キロ 父レイデオロに重賞タイトルを届けるか?
[GⅢラジオNIKKEI賞=2024年6月30日(日曜)3歳、福島競馬場・芝1800メートル] キャリアの浅い3歳馬によるハンデ戦。その賛否はともかく独特な立ち位置を築いているのがラジオNIKKEI賞。その前身は皐月賞トライアルの「中山4歳S」。1954年から春クラシック戦線終了後のこの時期に施行されるようになった。 かつて(55~67年)はダービー勝ち馬は出走できない規定がありダービー敗者による「残念ダービー」的なレースだったが、それも遠い昔の話。過去10年でダービー経由の出走馬は2頭のみで、勝ち馬10頭の中に前走GⅠ出走馬は1頭もいない。クラシックでバリバリ戦ってきた馬というよりは、去年の覇者エルトンバローズ(GⅡ毎日王冠)のように秋の飛躍を目指す馬たちのステップ的なレースとなっている。 今年の主役はサトノシュトラーセ(56キロ=牡・友道)か。GⅡ青葉賞で4着に終わり、ダービー出走はかなわなかったが、ここで秋に向けて賞金を加算したいところ。その青葉賞も直線でややスムーズさを欠くシーンもあり、重賞通用の力は見せた。小倉や京都内回りに良績がありローカル芝9ハロン戦への適性も高そうだ。 青葉賞5着馬ウインマクシマム(55キロ=牡・畠山)は果敢な先行策からサトノとタイム差なし。未勝利勝ち後は10ハロン以上で実績を積んできたが、持ち前の先行力なら千八にも対応可能でむしろ小回り向きの可能性も。半姉ウインピクシスも当舞台2勝でGⅢ福島牝馬S3着など小回り巧者だ。
トップハンデは唯一の重賞勝ち馬
GⅠ皐月賞からは14着シリウスコルト(56キロ=牡・宗像)、15着アレグロブリランテ(56キロ=牡・上原佑)が参戦。前者は芝6ハロンのデビュー戦Vから距離を延ばしつつ台頭し、GⅠホープフルS6着→GⅡ弥生賞3着。レースセンスは大きな武器であり、この舞台で持ち味を存分に生かせそう。一方、後者は当舞台で新馬勝ちがあり、GⅡスプリングS(2着)で見せた粘り込みはここにつながってくるはず。 唯一の重賞ウイナー・セットアップ(牡・鹿戸)は海外帰りの臨戦過程と58キロのハンデがカギ。ならば勢いある前走好走組にも食指が動く。リステッド・白百合S勝ち馬ミナデオロ(57キロ=牡・藤原)は展開が向いたとはいえ、ラストも速いラップでまとめて上々の内容。去年のエルトンバローズ同様に未勝利からの3連勝で重賞Vなるか。勝てば父レイデオロにとって初めての重賞タイトルとなる。 その白百合Sではミナデオロに敗れたもののオフトレイル(56キロ=牡・吉村)は距離にメドを立てた。ショーマンフリート(54キロ=牡・手塚)、ヤマニンアドホック(54キロ=牡・辻)、ログラール(54キロ=牡・松永幹)ら1勝クラス勝ち上がりの組も虎視眈々と上位進出を狙う。
東スポ競馬編集部