【陸上】800m日本記録保持者・久保の記録更新なるか 6m20超3人でハイレベルな走幅跳/インターハイ展望(女子編)
走幅跳は6m20超が3人のハイレベル! ハンマー投・工藤が地元V狙う
走高跳は髙橋美月(埼玉栄3埼玉)が2連覇に挑戦する。今季は序盤こそ記録が低調だったが、助走を短くしたことで流れが良くなり、北関東大会でマークした1m76で今季もランキングトップにつける。女王を追うのは、昨年2位の手島花奈(明星学園3東京)。昨年のU18大会では優勝を飾るなど勝負強さが光る。北関東大会で髙橋と競り合い、1m73を跳んだ青木萌佳(春日部共栄3埼玉)も楽しみな存在。U20日本選手権3位の佐野奏歩(埼玉栄3埼玉)や、昨年5位の江角菜子(大社3島根)も力がある。 棒高跳はU20日本選手権覇者で、春先から4m00をクリアしている松井愛果(大塚3大阪)が優勝候補筆頭に挙がる。マックスポールを使いこなせるようになっていれば、さらなる記録の更新も見えてくる。さらに大塚勢は上山貴美恵(2年)と福本くるり(3年)が3m70をマークしており、トリプル入賞の可能性を秘める。3m81を持つ長谷川永茉(太田女3群馬)、空中動作が得意な渡邊紗莱(大宮東2埼玉)ら北関東勢を中心に、松井を追うことになりそう。しかし、上位層の実力は拮抗しており、大混戦となりそうだ。 6m20超が3人と高水準の走幅跳。実績で上回るのは近藤いおん(城西3東京)だ。今季は東京都大会で6m22(+0.9)をマークするなど序盤から高い記録で安定している。3年連続で出場した日本選手権では6m16(+1.0)で4位に食い込んでいる。橋本詩音(静岡雙葉3静岡)は雨中のU20日本選手権の最終跳躍で6m29(+0.5)をマーク。昨年は東海大会で敗退しているだけに、最後の夏に懸ける思いは強い。6m23(+0.8)を持つ高宮ひかり(大塚3大阪)は昨年のU18大会覇者。力強い踏み切りを武器としている。 3強に次ぐ存在も6m超が5人とハイレベルだ。東海大会で橋本を抑えた水野文由里(中京大中京3愛知)は6m12(+1.5)をマーク。6m08(+1.1)の原琉心(中村学園女3福岡)は地元の利がある。三段跳でも上位候補に挙がる土屋美潤(成田3千葉)、北関東大会2連覇の成澤柚日(共愛学園2群馬)も今季は好調を維持している。 三段跳は12m68山中真琴(京都文教3京都)と走幅跳でも上位候補の橋本が軸となる。山中は昨年のU18大会を制し、今年6月のU20日本選手権2位と世代トップの実績を誇る。12m68(+1.5)でランキングトップに立つ。苦手だったステップが大きくなった橋本は、昨年から40cm近く記録を更新する12m61(+0.4)をマーク。一躍、優勝候補となった。昨年5位で安定感の高い土屋、4月に12m53(+2.0)を出している地元の柴田藍名(福岡大若葉3福岡)も優勝を見据える。 混戦が予想される砲丸投では、坂ちはる(大体大浪商3大阪)が連覇に挑戦する。昨秋に左膝の大ケガを負ったが、6月の日本選手権では8位入賞と復調傾向。本番に向けてどこまで状態を上げられているか。ライバルたちも強力。昨年2位の世古櫻紗(松阪商3三重)は突き出しが強くなり、14m45で堂々のランキングトップ。昨年5位の迫田明華(西条農3広島)、同7位の野本菜々(花園3京都)も力を秘めている。 全体のレベルが高い円盤投は、7月に47m93を投じた世古が優勝争いの中心となりそうだ。昨年は優勝に32cm届かなかったが、砲丸投とともに2冠を視界に捉えている。45m76でランキング2位の矢野結衣(添上3奈良)は、上位候補だった昨年は記録なしに終わっており、雪辱に燃えているはず。地元Vを目指す東かれん(八女学院2福岡)、大竹莉美子(東京3東京)も実力者で、入賞ラインも高くなりそうだ。 ハンマー投は7月に高校歴代6位の56m36をスローし、地元優勝へ大きな弾みをつけた工藤実幸乃(筑豊3福岡)が大本命だ。3月に高2歴代6位の52m53をマークし、U20日本選手権では2位。大幅に記録を更新して、堂々のランキングトップとして臨む。4月に53m88を投げた鈴木菜摘(浜松湖北3静岡)はアベレージが向上。澤向美樹(幕別清陵3北海道)は昨年5位、U18大会3位の実績を誇る。 50m台が不在のやり投は混戦となりそうだ。49m36でランキングトップの黒川愛星(添上2奈良)、49m13で同2位の田中亜実(中村学園女2福岡)はいずれも地区大会では振るわなかった。北九州大会で48m59の自己新で優勝を飾った福永実由(朝倉3福岡)、U18大会覇者で南関東大会では48m33をマークした吉田さくら(相模原弥栄3神奈川)は勢いがある。U20日本選手権で7位(48m35)に入った日置怜那(岐阜高専3岐阜)も上位候補に挙がる。 七種競技は400mハードルを兼ねる福島、100mハードルが得意の仮屋が実績でリードし、伸び盛りの本多七(園田学園2兵庫)を加えた3強か。昨年2位の福島は走力アップや跳躍種目でも記録を伸ばしている。昨年3位の仮屋は東京都大会の1種目めの100mハードルで高校歴代4位の13秒40をマーク。全体で5212点を残している。U18日本最高の5295点を出した本多はやり投と、全体のバランスの良さを武器とする。ともに5000点超のガードナ・レイチェル麻由(法政二2神奈川)と、金子美月(市船橋3千葉)も上位争いに絡んできそうだ。
月陸編集部