太陽系のあまり知られていないユニークな天体まとめ
太陽の周りを公転している天体には8個の惑星、少なくとも5個の準惑星、何万もの小惑星、約3兆の彗星と氷天体などが存在します。 【全画像をみる】太陽系のあまり知られていないユニークな天体まとめ 太陽系の天体のどれもが地球や木星ほどの知名度を誇るわけではありませんが、それでも我々の星系の大事な部分を占めていますし、太陽系の起源の理解に役立っています。 準衛星から環を持つ小惑星に至るまで、メジャーどころではないけれど個性的な太陽系の天体をまとめました。
アロコス
アロコスはカイパーベルトに存在する古代の微惑星として、恐らく40~45億年前に太陽系外縁部の氷粒子から形成されました。 探査機「ニュー・ホライズンズ」が2019年1月に探査するまで、科学者たちはこの氷の天体についてほとんど知らなかったとか。その当時、探査機は地球から65億kmも離れていて、太陽系内の天体で最も遠い距離の探査となったのです。 ニュー・ホライズンズから送られた画像では、アロコスはデコボコの球体2つが結合したように見えていました。2つの球体には起源のわからない明暗の模様と、2つを隔てる明るい“首”のような部分があります。 NASAによれば、これらの特徴は太陽系の形成時にこの天体が集合体となった過程についての手掛かりをもたらす可能性があるそう。
カリクロー
カリクローはケンタウルス族の中で一番大きく、小惑星として環を持つと発見された最初の天体です。ケンタウルス族は彗星のような組成(氷の天体)と小惑星の大きさをもつハイブリッドな天体。通常、木星と海王星の間不安定な軌道で見つかっています。 カリクローはただのケンタウルス族ではありません。まわりに氷粒子の環が2本あることも判明しています。それゆえ、太陽系で環を持つ初の小惑星として知られているのです。 NASAいわく、カリクローの直径は地球の約51分の1で、環は天体の中心から約400km地点を周回しているとか。
ミマス
土星の衛星ミマスはクレーターに覆われていて、『スター・ウォーズ』に出てくる帝国の巨大宇宙要塞にそっくりなことで知られています。同衛星の先行半球の大部分を覆う幅約130kmのハーシェル・クレーターがあるから、異様に似ているのです。 土星の主要な衛星の中では最小で最も内側にあるミマスの公転周期は、たったの22時間36分。NASAによると、ミマスは土星のすぐ近くを周回し、同じく土星の衛星で水の間欠泉が存在するエンケラドゥスよりも遥かに細長い軌道を持っています。数カ月前には若い地下海が存在するという研究が発表されたばかりです。