バブル時代「金利7%」でタワマンを買ったが…高金利にあえぎ、支払い困難で任意売却も、その後に待っていた〈さらなる悲劇〉
“富裕層の砦”とも称されるタワマン。しかし、その中に暮らす人の生活実態は、外からうかがい知ることはできない。日々の些細なストレスに神経をすり減らしている人もいれば、長年にわたって厳しい状況に立たされている人もいる。実情を見ていく。 【早見表】年金に頼らず「夫婦で100歳まで生きる」ための貯蓄額
タワマン住民がイライラを募らせる、日常的な「困りごと」とは?
庶民から羨望のまなざしを向けられる、タワーマンション(以下タワマン)住民。しかし、実生活のなかには以外にも、小さなイライラを引き起こす「日常的な困りごと」があるようだ。 複数の居住者から寄せられた「困りごと」で最多だったのは、定番の「朝の通勤・通学時間、居住階になかなかエレベーターが来ない(または乗れない)」だった。 一棟に千人単位が居住するタワマンなら、これはある意味「宿命」的な困りごとなのかもしれない。エレベーター数を増やしても、1基で最大13人程度しか乗ることができない。上層階と下層階で利用エレベーターを分ける工夫がなされている物件もあるが、一時的に利用者が集中してしまったら、ラッシュ解消はむずかしいだろう。 その次が「バルコニーに出られない・窓が開けられない」「日差しが強すぎる」といった開口部関連の困りごとだ。 室内は24時間換気システムで随時通気が行われているが、それでも、なんとなく空気が籠っていたり、臭気が漂っていたりするような感覚がある。また、眺望を楽しむための大きな窓は、ギラギラと照り付ける日差しも必要以上に採り込んでしまう。 もちろん、タワマンでも窓が開閉でき、バルコニーに出られる物件もある。強い日差しがイヤなら北向き住戸を選べばいいだけのこと。だが、バルコニーに出入りできると、子どもなどが誤って転落してしまうリスクがあり、北向きだと冬場に日差しが恋しくなるかもしれない。 そしてもっと切実なのが「金銭面」にかかわる困りごとだ。 タワマンは軒並み管理費・修繕積立金が高額になる。理由はいわずもがな、建物の「高さ」だ。窓清掃作業をはじめとする高層部メンテナンスは命がけ、長距離を往復するエレベーターの保守管理にも精密性が求められる。加えて、このところの建設資材高騰を受け、大規模修繕予算の増額を検討する管理組合も増えてきた。 現状すでに高額な管理費・修繕積立金がさらに値上げとなれば、日々の生活費にも影響が及ぶわけだが、とりあえず月額数千円程度の値上げ幅と想定され、ライフライン的な出費としてほとんどの住民が微妙な気持ちを持ちつつも容認している。 だが、これらよりもさらに深刻な金銭面での困りごとがある。