熊本電鉄の踏切事故、12月から相次ぎ3件 警報機と遮断機なく… 注意喚起を強化へ
熊本電鉄の踏切で、横断しようとした車が列車と衝突する事故が、昨年末から年明けにかけて熊本市北区で3件立て続けに起きた。いずれの踏切も警報機と遮断機がない。熊本電鉄は、踏切手前の路面に一時停止を促す表示を増やすなど、市と連携して注意喚起を強化したい考えだ。 北区清水亀井町の亀井・八景水谷間2号踏切で6日、御代志発藤崎宮前行きの列車が軽乗用車と衝突した。同じ踏切では、4日にも列車と軽乗用車が衝突する事故があったばかり。昨年12月19日には、約1キロ北の北区八景水谷1丁目にある八景水谷・堀川間8号踏切で、トラックと列車が接触する事故もあった。 熊本北合志署によると、3件とも乗客乗員と車の運転手らにけがはなかった。6日の事故で軽乗用車を運転していた男性は「踏切に入った直後にぶつかった」と話しているという。 いずれも原因は捜査中だが、踏切に警報機と遮断機がないことが影響している可能性が考えられる。
熊本電鉄では、熊本市と合志市の全線で計70カ所ある踏切のうち約4分の1に当たる17カ所で警報機と遮断機がない。以前からたびたび事故が起き、設置を検討している踏切もあるが、費用面の問題に加え、沿線住民から「カンカンと音が鳴るのが嫌だ」と敬遠されるケースもあり、設置が進まないという。 4日と6日に事故があった踏切の一帯には「踏切一旦[いったん]停止」「止まれ」と書かれた看板や、進行してくる列車がないか確認するためのミラーが設置され、これまでも事故を防ぐ対策が取られてきた。それでも事故は絶えず、沿線の課題となっている。 相次ぐ事故を受け、熊本北合志署は「踏切を通過する際は必ず一時停止し、窓を開けるなどして目と耳でも安全確認してほしい」と改めて呼びかけている。(遠山和泉)