<忍たま乱太郎>13年ぶり劇場版 今までにない「忍たま」の挑戦 ギャグよりドラマ優先 藤森雅也監督インタビュー(1)
◇土井先生の魅力 「天鬼みたいなものが実は潜んでいる?」
劇場版は、忍者ならではのアクションシーンも見どころの一つとなっている。六年生が土井先生とうり二つの天鬼と対峙(たいじ)するシーンでは、「とにかく天鬼の強さを描く」ことを意識したという。
「天鬼との対峙に至るまでの六年生をとにかく優秀に描こうとしました。そんな優秀な六年生が準備万端で出掛けて行ったにもかかわらず、天鬼には歯が立たない。その対比を最初に出したかったんです」
ドクタケ忍者隊の冷徹な軍師・天鬼の正体は、土井先生であることが明かされている。なぜかドクタケ忍者隊の軍師となってしまった土井先生。藤森監督は土井先生と天鬼のギャップを描こうとした。
「土井先生は人柄が良くて優しい。それからすごく世話焼きで、苦労性という可愛いところもある。そういうところがファンに愛されていると思うのです。そんな土井先生と天鬼というキャラクターのギャップをきっちり描きつつ、それでいて実は全くの同一人物。その内面においてはつながっているところがある、ということを意識して描きました。天鬼はとにかく虚無を抱えているキャラクターで、土井はすごく充足している目をしたキャラクターなんです。ただ、土井先生の中にも天鬼みたいなものが実は潜んでいるのかもしれない、というところを描画していきました。優しい充足した目つきの土井先生とずっと虚無を抱えたままの目の天鬼、というところで対比を出しています」
一方、土井先生と天鬼の“動き”は同じで「土井先生のチョーク投げと、天鬼の棒手裏剣の投げ方は一緒です。面つきは変わって見えるんだけれども、体に染み込んだ体術は一緒という。そういうところは意識して描いています」と説明する。
インタビュー(2)へ続く。