【インタビュー】楽天・小深田大翔 相手が嫌がる選手に「帰塁への不安が少なくなったことで、よりスタートに意識を持っていけた」
ライバルの存在
4年目にして初のタイトルを獲得。スピードが武器の小深田にとって盗塁王は大きな勲章だ
タイトルホルダー・インタビューの2回目は、パ・リーグ盗塁王に輝いた楽天の韋駄天だ。打順もポジションも固定されることはなかったが、何番を打ってもどこを守っても、存在感を見せつけた。チームは12球団トップの盗塁数を誇るが、その中心にいるのが、背番号0のこの選手だ。 取材・構成=阿部ちはる 写真=井沢雄一郎、BBM 入団時から掲げていた目標の一つ、盗塁王を獲得した小深田大翔は今季チームには欠かすことができない存在となっていた。その走力に限らず、どの打順でも一定の成績をマークし続ける安定感のある打撃、内外野の複数ポジションを守りチームの穴を埋め続ける守備力など、まさに攻守走で活躍。日々変わるポジション、制約の多い状況の中でも献身的にチームを支え、果敢に走り続けた。9月以降は周東佑京(ソフトバンク)との一騎打ちとなり、36個と同数でのタイトル獲得となった楽天のスピードスターが、今季を振り返る。 ――ご自身にとって初めてのタイトル獲得となりました。 小深田 正直、実感はないのですが、タイトルを獲れたことはうれしいです。 ――シーズン前に40盗塁を目標に掲げていました。その数字はやはり盗塁王を見据えた目標設定だったのでしょうか。 小深田 はい。ただ、シーズン序盤はあまり意識せずに、まずはしっかり盗塁を成功させるということだけを考えていました。シーズン中盤あたりからタイトルを意識するようになりましたね。 ――ちなみに、小深田選手は入団発表時、その年(2019年)の盗塁王で大阪ガス時代の先輩である近本光司選手(阪神)の36盗塁を超えたいとコメントしていました。同数での盗塁王獲得となりましたね。 小深田 そうでしたっけ? 全然覚えてなかったです(笑)。目標の数字には届かなかったのですが、タイトルを獲得できたので良かったなと思っています。 ――9月以降はソフトバンクの周東選手と熾烈なタイトル争いを繰り広げました。 小深田 やはり相手が走ったら自分も離されないように走ろうという意識を持っていたので、周東選手の存在が、後半数字が増えた要因かなと思います。 ――楽天の最終戦の前日にソフトバンクの最終戦があり、同数でタイトル争いをしていた周東選手が盗塁を試みました。 小深田 そのときはさすがに『うわ、まじか!』と思いましたね(笑)。 ――その後リクエストで失敗に。同数でのタイトル獲得が確定しました。 小深田 知り合いが偶然現地で観戦していて、動画が送られてきたんです。『よっしゃー!』って思いました(笑)。ですが・・・
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週刊ベースボール