駒大の山川拓馬が箱根駅伝以来、約5か月ぶりにレース復帰 藤田監督は「体調に問題ありません」
東海大長距離競技会が8日、神奈川・平塚市の東海大湘南校舎陸上競技場で行われ、駒大の山川拓馬(3年)が男子1万メートルに出場し、29分10秒72で1位でゴールした。今年1月2日の箱根駅伝4区以来、約5か月ぶりのレースで、スタートと同時に先頭に立ち、そのまま独走でゴール。大学入学後、初の1万メートルだったため、大幅な自己ベスト記録更新となった。藤田敦史監督は「今日の目的は現状の確認でした。単独で走って28分50秒から29分ちょうどくらいを設定していました。ぎりぎり想定の範囲内です」と冷静に話した。 駒大の主力のひとりの山川は昨季、出雲駅伝でエース区間の3区で区間2位、全日本大学駅伝では最長の最終8区で区間賞を獲得し、いずれも優勝に貢献した。しかし、その後、股関節などを故障し、万全ではない体調で迎えた箱根駅伝では4区で本来の実力を発揮できなかった。青学大の佐藤一世(現SGH)と4秒差の2位でタスキを受けたが、区間賞を獲得した佐藤に1分22秒の遅れを取った。体調に不安を抱える中、区間6位でまとめたが、4区以降、青学大の背中は遠くなり、駒大は、箱根駅伝連覇と学生3大駅伝6連勝を逃した。 「箱根駅伝が終わった後、まずは休んでしっかりと故障を治すことに専念しました。3月から本格的な練習を始め、5月の関東学生対校のハーフマラソンで勝負できるという状態まで戻りましたが、また、4月に少し痛みが出たので、関東学生対校は大事を取って欠場しました。現在は体調に問題はありませんので、今後、練習を積んでいきます」と藤田監督が説明した。 山川は2年時までに学生3大駅伝に5回出場し、区間賞が2回。1年時の箱根駅伝では5区区間4位で往路優勝のゴールテープを切り、総合優勝に貢献した。ロードで抜群の強さを誇る。 藤田監督は「箱根駅伝では5区を見据えながら、他に5区を任せられる選手がいれば、別の大事な区間を任すこともできます。(エース区間の)2区も走れるタイプです」と期待を込めて話す。今季、出雲駅伝と全日本大学駅伝では連覇を、箱根駅伝ではV奪回を目指す駒大にとって、山川が復活の第一歩を記したことは大きな意味を持つ。
報知新聞社