プロ野球新人。開幕から1軍で使える人、時間のかかる人。
プロ野球のキャンプは、阪神、ソフトバンク、中日の3球団を最後に、29日に全12球団が打ち上げた。ここからオープン戦が本格化すると同時に開幕1軍を巡ってのチーム内競争が、ますます激化する。1軍キャンプには、ソフトバンク、西武を除く10球団に計32人(パ・11人、セ・21人)のルーキーが抜擢されたが、開幕から使える新人、まだ時間がかかりそうな新人と、ハッキリと二極化してきた。 元千葉ロッテの里崎智也氏が取材してきたチームの中で目についたのは3人。 横浜の今永昇太、熊原健人のドラフト1、2位コンビと、巨人の重信慎之介だ。 「左で147キロを出せ、まとまりもある今永は、先発として通用する可能性を感じる。熊原も制球をカバーできるに十分の球威がある。先発でもセットアッパーでも対応できそう。彼らはその出来次第で横浜DeNAがBクラスに落ちるか、上に上がるかの鍵を握っている存在だと思う。また巨人の重信はスタメンで使いたくなる戦力。足もあるし、土のグラウンドで盗塁を仕掛けて余裕でセーフになっているスピードは、本番でも通用するだろう。足にスランプはない。また反対方向に強い打球を打てるバッティングも魅力。阪神にいた赤星憲広とイメージが重なるような、これまでの巨人にないタイプのバッターだ」 今永は、対外試合2試合、7回を投げて無失点。ラミレス監督からはキャンプMVPに認定された。熊原は実戦デビューは3失点、左足をオープンに開き、腕を大きく上下に動かす独特のフォームで、2段モーションとセットでの静止状態がなかったことを指摘されて、2度ボークを取られるなどしたが、147キロをマークしたスピードボールには、他球団のスコアラーが「多少甘くいっても力でねじふせられる」と驚くほどの球威があった。 また巨人で売り出し中の重信も、7試合で25打数12安打5盗塁と結果を残している。早大の高橋監督が、現役時代に同期だった巨人の“青い稲妻“松本匡史と比較して「松本より速い」と表現したスピードは、決して大風呂敷ではなかった。 里崎氏は後輩にあたるロッテの1位、平沢大河についても「まだプロの打球に慣れてはいないが、守備は1軍レベル。バッティングに関しても右への打球が弱いのが気になるが、スイングスピードは目についた。今江、クルーズと2人内野手が抜けていますから、思い切ってスタメンで使われるかもしれませんね」と言う。