吉沢亮の“自信を保つコツ”「死ぬほど準備する。本番になったら忘れます」
準備はしっかり。本番では「忘れる」
『キングダム』シリーズは、グッと全身に力が入るようなアクションシーンや、その勢いに圧倒される壮大な戦のシーンも見どころの一つ。本作をはじめ、数々の実写化作品でメインを張る吉沢自身、どうやって日々のプレッシャーに打ち勝っているのか。 「僕はもう、基本的にあんまり、自信がないタイプなので」と、そっと笑いながら教えてくれる。 「完全に自信がない状態だけど、やってみないとわからないですから。やるしかないんです。やってみて周りの反応が良かったら、やっと自信満々になる! みたいな。リアクションがないと、ずっとネガティブなことを考えちゃいます」 これはもともとの性格なので、克服できるものならしたいんですけど、と自身について語る吉沢には、気負いがない。『キングダム』で見せる嬴政の堂々とした風格や、『東京リベンジャーズ』で見せるマイキーの飄々とした佇まいの裏には「やってみなければわからない」という一周まわった達観があるのかもしれない。 「死ぬほど準備して、本番では忘れるんです。何も考えずに臨むほうが、プレッシャーを跳ね除けられる。さっきの『ただその場にいることを大事にする』って話にも通じるかもしれません。できる限りの準備さえしていれば、あとは考えなくても身体が覚えてくれていますから」 力が抜けている、というよりも、入れるべきところに力を入れている、という印象が、吉沢の演技にはある。「今でも緊張しちゃって『もうダメだ~』ってなることもあります」とお茶目に語ってくれるが、とても想像できない。 「緊張したときは、良い意味で諦めます。やっぱりすごく思い入れが強かったり、こだわりを持ちすぎたり、『練習してきたことの120%を出さないと!』って力が入ったりすると、空回りしちゃうので。練習や準備はしっかりしていくけど、70%くらい出せたら大丈夫、と。100%じゃなくてもいい、本番で悩んでもしょうがないから」 完璧な自分で在ろうとしない。多くの期待やプレッシャーを背負いながらも、いつだって凛と静かに立っているように見える彼の原点は、ここにあるのかもしれない。