不登校5年連続で過去最多 2023年度、コロナ禍前から倍増 広島県内の小中高校生
広島県内で2023年度に不登校だった小中高生は1万764人に上り、5年連続で過去最多を更新した。新型コロナウイルス禍前の19年度から倍増しており、県教委はコロナ禍を機に多様な学び方が浸透したことが要因の一つと分析。今後もオンライン授業などの環境整備を充実させる。 【グラフ】 不登校の児童生徒数の推移(広島県内) 文部科学省の調査によると、県内の不登校の小中高生は前年度比17・9%増となり、現行方式で統計を始めた04年度以降で最多だった。内訳は中学生が14・6%増の5362人。小学生は22・5%増の3380人、高校生は19・4%増の2022人だった。 コロナ禍前の19年度の計5276人と比べると2倍になっている。全国でも同様に増加傾向にあり、県教委はコロナ禍の行動制限や学習環境の変化を背景に「無理して学校に行かなくてもいいという意識が社会全体に生まれた」とみている。 文科省は本年度、不登校の高校生がオンライン授業を受ければ単位の取得を認めるよう学校教育法施行規則を改正。県教委は22年度、小中学生がオンライン授業に参加できる支援拠点を東広島市に開設している。 県教委の個別最適な学び担当は「学校には行けるけれど教室に入れない子どもなど、状況に応じた多様な学びの選択肢を提供したい」としている。
中国新聞社