【ライブレポート】MISIA、ビビアン・スーを迎えた台湾・花蓮地震被災地支援ライブが大盛況
■アンコールでは、MISIA&ビビアンによる「STAMINA ~スタミナ~」「Timing ~タイミング~」のメドレーも! 【画像】心を込めて歌唱するMISIA&ビビアン MISIAが、一夜限りの台湾・花蓮地震被災地支援ライブを、5月31日にBillboard Live TOKYOにて開催した。 照明が落ち、ステージで瞬き出す無数のキャンドルたち。ゆっくりとたゆたうようなバンドの演奏が始まると、それに続いてMISIAが拍手に包まれながらステージに登場した。披露したのは「ゆびきりげんまん」。3月29日にリリースした最新シングルだ。未来への強い約束の気持ちを込めたこの楽曲は、このステージでさらなる輝きを放っていた。 この日Billboard Live TOKYOで行われたライブは、一夜限りの特別なショーだった。“特別”とは、豪華という意味だけではない。そこには、特別な強い気持ちがあった。4月3日に台湾の東部沖を震源とする大きな地震(花蓮地震)が発生。実はその翌日、MISIAはデビュー25周年記念ツアーである『25th Anniversary MISIA 星空のライヴXII Starry Night Fantasy』のファイナルとしてTaipei International Convention Centerにてライブを行う予定だったのだが、その公演は安全面を考慮してやむを得ず中止となっていた。 そんな背景もあり、“被災地の力になりたい”というMISIAの強い想いが、インクルーシブの理念と平和へのメッセージを発信する祭典『PEACEFUL PARK』シリーズとして今回のライブを実現させた。 「このライブの収益の一部は台湾の衛生福利部(保健省)公設の『財団法人賑災基金会』に寄付し、災害救助、医療、避難所支援などの復旧・復興活動に幅広く活用していただきます。今夜はライブと寄付を通じて、被害に遭われた皆様に祈りと想いを届ける夜にしましょう」 配信のカメラに向かって北京語でも語りかけるMISIAの姿が印象的だった。そして、MISIAの呼び込みでステージに登場したのは、台湾出身のビビアン・スー。舞台中央で抱き合うと、ビビアンはMISIAに感謝を伝えた。 「花蓮のためにこんな素敵なチャリティーのイベントを開催してくれてありがとう。すごい感動しました。MISIAは私の心の中の歌姫No.1です。歌がうまいだけじゃなくて愛をいっぱい持って生きています。I love you, MISIA. Thank you」 ビビアンが愛と希望を伝えるために選んだ曲は「愛笑的眼睛」。北京語の歌詞ではあるが、そこに込められた想いが確かに伝わってくる歌唱は会場を大きな愛で包んだ。 再びステージに登場したMISIAが「すごく良い歌」と、さっそく「愛笑的眼睛」のサビの部分をハミングし、驚いたビビアンが「今度一緒に歌いましょう」と応えてふたりで約束をした場面は、観ていてじんわりと感動が広がる瞬間だった。 椅子に座って展開されたトークでは、MISIAがデビューした1998年当時、すでにブラックビスケッツの一員として日本でも活躍していたビビアンをよく観ていたという話題に。ふたりがオーディエンスと一緒に「Timing ~タイミング~」のサビを歌うと、次はビビアンがMISIAの「Everything」をオーディエンスと歌唱。観客だけでなくバンドメンバーにもマイクを向けて歌声を要求するなど、会場はとても温かい雰囲気でひとつになっていった。さらに台湾と日本の食べ物や文化など、身近な話題でナチュラルな会話を楽しむふたりの姿には、地域や言語を超えた友情が感じられた。 ふたりで披露したのは、ビビアンが初めて作曲した楽曲「翼」とテレサ・テンの「時の流れに身をまかせ」。前者では北京語歌詞をビビアンが、日本語歌詞をMISIAが歌った。本編最後の「愛をありがとう」をパフォーマンスする前には、MISIAがこんな想いを伝えた。 「この曲を作曲してくださったのは台湾のミュージシャンの方なんです。そして歌詞は私が書いて、2パターンあるアレンジをしてくださったのは船山基紀さんと、香港の方。だからこの曲はアジアで作った歌だなって思ってるんです。本当に音楽ってすごいですよね。たくさんの人と繋がりながら音楽を作って、そしてたくさんの聴いてくださる方と繋がることができる。こんな素敵なことってないですよね」 花蓮への想いを込めたMISIAの歌唱が心に響いた。 アンコールでは、MISIAとビビアンで「STAMINA ~スタミナ~」「Timing ~タイミング~」のメドレーをファンキーなアレンジで披露。ラストは、会場全体で「あなたにスマイル:)」を歌い上げた。音楽が繋ぐ希望と愛が確かに見えた。そんな、心に深く残るショーだった。 リリース情報 2024.03.29 ON SALE DIGITAL SINGLE「ゆびきりげんまん」
THE FIRST TIMES編集部