JAL、バッテリー式地上電源を初導入 松山空港で
日本航空(JAL/JL、9201)は5月17日、リチウムイオンバッテリー式の地上電源装置「eGPU」を松山空港で9日から導入したと発表した。ディーゼルエンジンを使う従来のGPUと比べ、バッテリー式はCO2(二酸化炭素)排出量削減や低騒音化といった導入効果が期待できる。eGPUはこれまでJALグループ各社で導入実績があったが、JAL本体が導入するのは今回が初めて。 【図】従来のGPUとeGPUの比較 導入するeGPUはデンマークのITW GSE製「7400 eGPU」で、多摩川エアロシステムズ(東京・大田区)が輸入代理店を務める。同製品は全世界で400台以上の実績があり、JALが羽田-松山線に投入するボーイング737-800型機の場合、航空機が到着してから出発するまでの「ターンアラウンド」約14便分で電気を供給できるという。 JALグループでは、鹿児島空港を拠点とする日本エアコミューター(JAC/JC)が2023年3月から、札幌・丘珠空港を拠点とする北海道エアシステム(HAC、NTH/JL)が今年3月から、それぞれeGPUを導入済み。JACは種子島、屋久島、喜界島、奄美大島、徳之島、沖永良部、与論の7空港、HACは丘珠、利尻、奥尻の3空港で運用し、仏ATR製ターボプロップ(プロペラ)機へ電気を供給する。 eGPUはジェット機用の充電設備の設置と交流電源の確保が課題となっていたが、松山空港では除雪車の車載ヒーター用電源プラグを変換することで課題を解決した。今後は他空港への展開も検討するという。
Yusuke KOHASE