能登に今年3回目のオーロラ 地磁気の乱れが原因か
●柳田の「満天星」撮影 異例の現象頻発 能登の夜空に三たびオーロラが出現した。11日未明、能登町の石川県柳田星の観察館「満天星」は淡い赤色の帯が北の空に広がる幻想的な光景を撮影。地磁気の乱れによって極域以外にも現れる「低緯度オーロラ」とみられ、県内では今年3回目の観測となる。能登で未曽有の災害が相次ぐ中、異例の現象が頻発する偶然に関係者も驚きをみせている。 低緯度オーロラは満天星と同じ敷地内にある柳田植物公園で午前2時ごろに撮影された。肉眼では見えなかったが、固定カメラで連続撮影したところ、北の低い空に赤い帯が写った。 5月11日、8月12日にも観測しており、撮影した同館学芸員の宇佐美拓也さん(37)は「本来はレアな現象が能登でこれほど頻繁に見られるのは驚きです」と話す。 低緯度オーロラは太陽活動との関連が指摘されている。気象庁によると9日に太陽表面での大規模な爆発現象「太陽フレア」が発生、その影響で11日には地球の磁場である地磁気の大きな乱れ「磁気嵐」も観測されており、普段は見られない地域でのオーロラ発生につながったとみられる。 宇佐美さんによると、オーロラは今も活発な状態で、米国などで観測され続けているという。条件次第では今夜も県内で見られる可能性があり、宇佐美さんは「月明かりがあると肉眼では確認できないだろうが、日本にもオーロラが出るということを多くの人に知ってほしい」と話している。