インタビュー鈴木宗男氏に聞く 北方領土問題で首相は「大きな判断をする」
終戦から71年経過しましたが、いまだ解決しない北方領土の問題。そうした中、ことしに入り、立て続けに日ロ首脳会談が行われ、12月にはプーチン大統領の来日が決まり、平和条約締結と領土交渉の進展に注目が集まっています。ことしは平和条約締結後に歯舞群島、色丹島の引渡しを決めた1956年「日ソ共同宣言」からちょうど60年の節目の年です。果たして日ロ間が抱える最大の問題に動きはあるのでしょうか。 そこで長年、日ロ関係と北方領土問題に取り組んできた元衆院議員、新党大地代表の鈴木宗男氏に話を聞きました。鈴木氏は「両首脳の信頼関係は極めて高い」とみて、両国間で取りざたされている経済支援は「互いにウインウインになる条件を備えている」と指摘。その上で、北方4島で進むロシア化に対し、早期解決の必要性を訴え、領土や国家主権の確定は「トップリーダーの判断」と首脳会談での事態前進に期待を寄せました。
安倍首相は大きな判断をすると確信
鈴木氏は「今年はまさに日ロ関係において60年の節目の年」とし、12月15日に決まっている山口県での日ロ首脳会談について、「5月のソチ首脳会談、9月のウラジオストクの首脳会談、大成功のうちに終わっている」、「プーチン大統領と安倍首相との信頼関係は極めて高い。北方4島を追われた元島民の皆さんの平均年齢も82歳、人道的な配慮からも安倍首相は大きな判断をされると確信、期待している」と話しました。 また1956年の日ソ共同宣言は「平和条約締結の後には、歯舞群島と色丹島は日本に、善意で引き渡す、というのが正確な表現」。「4島一括返還、という表現はソ連時代の話。共産主義ソ連は、領土問題はなしというから、当時の日本政府の方針は4島一括返還」、「ソ連崩壊、自由と民主のロシアになってから、日本政府は4島一括という旗は降ろして、4島の帰属の問題を解決して平和条約。帰属が確認されれば、島の返還時期は差があってもいいと、方針転換した」と、両国間交渉の変遷を説明しました。 その上で「プーチン大統領は、1956年宣言は、日本の国会も当時のソ連の最高会議も批准し、法的拘束力のある約束義務だと言っている。それならばまず2つもらう。しっかりと得るものは得て、次に、国後・択捉をどうするかの判断をした方がいいというのが、私の考え」と述べ、「外交には相手がある。日本が100点で、ロシアが0点という外交はない。同じくロシアが100点で、日本が0点という外交もない。こういう安倍首相の賢明な判断で今、日ロ関係は動いている」という見解を示しました。