ヤクルト・吉村貢司郎、来季3年目は開幕投手&15勝以上に目標設定 年俸5000万円で契約更改
燕のエース襲名だ!! ヤクルト・吉村貢司郎投手(26)が13日、東京・北青山の球団事務所で契約交渉に臨み、2900万円増の年俸5000万円(推定)で更改した。2年目の今季は開幕からローテーションを守り、先発陣でチーム最多の9勝(8敗)を挙げた。チームの勝ち頭は来年3月28日の巨人戦(東京ドーム)での開幕投手に照準を定め「そこを意識してやっていく」と宣言。15勝以上を目標に設定した。 淡々とした口ぶりだが、その言葉の一つ一つに熱が宿った。今季チームトップタイの9勝を挙げた吉村が、倍増以上の5000万円でサイン。会見の席では自身初となる開幕投手に意欲を示し、次世代のエースとしての自覚をにじませた。 「しっかりとそこ(開幕投手)に向けて準備したい。一つの評価だと思うので、そこを意識してやっていく」 照準に定めるのは、開幕戦となる来年3月28日の巨人戦(東京ドーム)だ。開幕投手を7度務めた経験を持つ小川や、今季8勝の高橋、同3勝の奥川らライバルは多いが、一歩も引くつもりはない。球団からは「来年、しっかりとチームを引っ張っていける存在になってほしい」との言葉をかけられたといい「引っ張れる存在になりたいし、ならないといけない」と情熱を燃やした。今季の巨人戦は9月4日の一戦(京セラ)でプロ初完封を飾るなど4試合で3勝1敗、防御率1・32。相性の良さも追い風になりそうだ。 2023年に東芝からドラフト1位で入団して2年目の今季は、開幕からローテーションを守り、23試合に先発。9勝8敗、防御率3・19をマークした。故障離脱があり、4勝に終わったルーキーイヤーから飛躍を遂げたが、成長曲線を描く右腕は、ステップアップに向けて変化を恐れない姿勢を貫く。 来季の目標として色紙には「〝探究心〟」としたため「良くなるため、勝つためにどうするか、優勝、日本一になるためにどうするか、考えてやっていくのが大事」と説明。早くも新たな取り組みを始めている。週に2度ほどプールに通い「飽きるまで」泳ぐ。心肺機能の向上や肩回りの強化などの目的があり、バタフライや自由形に挑んでいる。「体重移動をどうやろうか」と思考をめぐらせ、水中を歩くこともあるという。 「数字としては2桁勝利、15勝以上にどうすれば届くか考えてやっていきたい。覚悟を持って、このシーズンを過ごす」。開幕投手を経て15勝へ。マウンドで輝き、エース道を進む。(武田千怜)