年始の休暇に星空観察はいかが?「しぶんぎ座流星群」1月3日~4日にかけ 1997年の「あの彗星」が関係か?
(米田さん) 「この写真を撮ったころは、13歳でした。当時いた中学校(奈良市内)の屋上に望遠鏡(口径20cm)を運び、彗星のコマ(核)の拡大した写真を撮りました。当時はフィルムでの撮影です」 「彗星の尾を含んだ全体の写真を撮る方が美しいのですが、市街地では望みが薄かったので、明るい部分(コマからダストが放出されている様子)を拡大して撮影したような記憶があります」 このヘールボップ彗星を、1997年にRSKが取材していました。当時の原稿です。 『彗星は「ほうき星」の名の通り長い尾を持つのが特徴です。この尾ができる過程が岡山県鴨方町竹林寺山にある国立天文台でヘールボップ彗星の観測によって世界でも初めて明らかにされました。』 『この観測を行ったのは埼玉県の高校教諭、鈴木文二さんら7人のチームです。鈴木さんらは竹林寺山にある国立天文台の91センチ反射望遠鏡にウープスと呼ばれる偏光撮影装置をとりつけ、彗星の頭の部分を撮影しました』 ■彗星の頭の部分では何が起こっている? (1997年のニュース記事) 『この頭の部分の中心には核があり、そこからは太陽に照らされてたくさんのチリが吹き出して尾をつくっています。観測の結果、このチリに反射した太陽の光は核の近くではほとんど偏光せず、遠くなるにつれてしだいに偏光の度合いが増していく事がわかりました』 『この結果、鈴木さんは核からはなれたチリがはじめ数ミリ程度と大きく、やがてミクロン単位に小さく分裂していく事を示しており、ミクロン単位の小さなものばかりが集まっているという定説はくつがえると話しています。 彗星のチリができる過程を一枚の影像としてとらえたのは世界でもはじめてで、太陽系のもととなった物質の大きさなども明らかになるのではないかと期待されています』 ■1997年のニュース記事を2024年に考察してみよう ー米田さん、ヘールボップ彗星に関する1997年の記事を、いま読んでみていかがですか? (山陽学園大学 米田瑞生さん) 「当時の記事があったんですね!なんと興味深い。地球の大気に飛び込んでくる流星のダストの大きさは、0.1mmとか、1mmとか、そのくらいだと思います」 「ミクロンサイズよりはだいぶ大きいので、ヘールボップ彗星が、大きめのダストを供給しているとなると、流星群の原因になっていても良いのだな、と納得させられました!」 ーヘール・ボップ彗星は、その後どうなったのでしょうか。 「その後、ヘールボップ彗星は、彗星としては非常に大きくて(60km程度、ハレー彗星は6km程度)、太陽や地球のそばを過ぎ去ったあとも、だいぶしぶとく観測されていたように記憶しています。2001年になっても、南ヨーロッパ天文台の2.2m望遠鏡が、その姿を捉えています」 「ちなみに、つぎにヘールボップ彗星がやってくるのは、約2500年後です。このような長周期彗星が、流星群の原因になっているとしたら、実はそれは珍しいことです。まれにしかダストを供給しに来てくれないからです」 しぶんぎ座流星群を観て、ヘールボップ彗星が過ぎ去った1997年に、思いを馳せてみてはいかがでしょう。
RSK山陽放送
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