「30センチ必要なのに厚さたった3センチ」トンネル空洞で施工不良…県職員らを「厳重注意」2年かけ完成したのにやり直し 完成までまた2年
問題公表半年後にようやく会見で謝罪 現場所長「厚さ不足と認識も数値偽装し検査通した」
そんな中、県が問題公表してから約半年後の1月17日にようやく施工会社の「浅川組」が会見を行いました。会見では冒頭、社長らによる謝罪が行われ、これまでの問題の経緯について説明が行われました。 会社側は問題発覚後に社内に社外取締役の弁護士を委員長とするコンプライアンス委員会が設けられ従業員らへのヒアリングが実施されたということです。 浅川組などによりますと、今回のトンネル工事を担当した現場所長はこれまでに17件ものトンネル工事を担当し、社内でも経験豊富で「トンネル工事」と言えばこの人と称される“敏腕社員だった”ということです。 会見では委員会が作成した提言書も公表されました。その中では所長はヒアリングに対して、「覆工コンクリートの厚さが確保できないことを認識しながら、本社に相談することなく工事を進め、数値を偽装して検査を通した」と回答したということです。
県は職員ら6人を厳重注意
2月20日、和歌山県は管轄の県土整備部長ら同部ら計6人について、組織として適切な指導体制となっていなかったことなどから、厳重注意としたと発表しました。県は今後の再発防止に向けて、工事の途中段階での確認を県の監督員が確実に行われるよう、全工事着手前に施工業者との打ち合わせで担当課長が決裁をするほか、完成時の検査の際、段階確認が確実に行われたかの検査を行うということです。
『コンクリを全てはがす』など工事は今後2年かけ全面やり直しへ
補修工事は技術検討委の指摘で「ほぼ全面的にやり直す必要がある」と判断されました。浅川組は補修工事を去年12月から開始、トンネルは去年12月から供用開始の予定でしたが、2年遅れる見込みだということです。県によりますと、浅川組は和歌山県内で2005年~2019年にかけて11のトンネル工事に単独もしくはJVの形で関わっていたということですが、今回以外のトンネルについても施工不良がなかったかを全面的に調査を行う方針だということです。