アップル、メタとのAI提携構想を数カ月前に断った-関係者
(ブルームバーグ): 米アップルは、メタ・プラットフォームズの人工知能(AI)チャットボットをスマートフォン「iPhone」に組み込む同社からの提案を数カ月前に拒否していた。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
両社はメタの「Llama」をベースとするチャットボットをAI提携で利用することについて現在は協議しておらず、3月に短く議論しただけだと関係者は匿名を条件に話した。提携に関する話し合いは正式な段階には至らず、アップルにはLlamaを搭載する積極的な計画はないという。
予備的交渉が行われたのは、アップルがオープンAIの「ChatGPT(チャットGPT)」とアルファベットの「Gemini(ジェミニ)」を自社製品に搭載するためのディールを詳細に議論し始めたころだ。アップルは今月初め、ChatGPTとの提携を発表し、将来的にGeminiを提供する見通しも示した。
アップル、AIの新機能発表-オープンAIと提携でChatGPT統合 (3)
関係者によると、アップルがメタとの正式な協議を進めないことにしたのは、メタのプライバシー慣行が十分に厳格ではないと判断したことが一因。アップルは何年もメタの技術を批判してきており、LlamaをiPhoneに組み込めば180度の方針転換になる。
また、アップルはChatGPTの方が優れていると受け止めている。一方、グーグルはすでにアップルのウェブブラウザー「サファリ」の検索パートナーであり、その関係に基づいて将来的にGeminiに関する提携が構築されるという。
アップルとメタの広報担当者はコメントを控えた。米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は23日、両社がAI提携について協議していると報じていた。
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原題:Apple Spurned Idea of iPhone AI Partnership With Meta Months Ago(抜粋)