有名ホストと結婚した鈴木涼美が語る、「経験人数4桁」の男でも許せる先人の知恵とは
作家・鈴木涼美さんの連載「涼美ネエサンの(特に役に立たない)オンナのお悩み道場」。本日お越しいただいた、悩めるオンナは……。 【写真】ホスト帰り?焼き魚を食べる鈴木さん Q. 【vol.17】夫の女友達の「手癖の悪さ」が不安なワタシ(30代女性/ハンドルネーム「まめぞう」) 旦那の高校時代の友達で、どうしても気に食わない女性(Hさん)がいます。Hさんはここ1年の間に、高校時代の元カレと同窓会で再会して良い感じになり、それがHさんの旦那にバレて離婚しシングルマザーになったという人です。しかも手を出した元カレも既婚者だったということで、手癖の悪い女友達がいることが心配でたまりません。まだHさんが新婚だった頃、私の旦那と2人で出かけたと聞いて、私はHさんの貞操観念が理解できないし、何も考えずにその出来事を話してきた無神経な旦那にもイライラしてしまいました。 旦那には「今後Hさんから連絡来ても絶対2人きりで会わないで」「あなたが大丈夫と言ってもその人はあなたのことをどう思っているかは分からないから気をつけて」と伝えましたが、言いすぎでしょうか? 私のこの不安な気持ちに折り合いをつけたく、アドバイスをよろしくお願いいたします。 A. 過去がいやならば童貞と結婚するしかない。 今の恋人や夫の過去も含めた女性関係について、冷静に考えれば大した脅威ではなくとも、どうしても気に入らない点がいくつかあるという感情は理解できる人が多いと思います。たとえばもう連絡をとっていない元カノであっても、前に一緒に写った写真や過去の手紙をちらっと見てしまってからその人の顔が頭から離れないとか、その元カノは結婚していたりステディがいたりするものの、彼女と話すときに彼が異様に楽しそうだとか、理由は様々ですが、とりつかれたようにそのことばかり考えてしまったという経験は若い時に多くの女性が経験しているであろうからです。
元カノや学生時代の女友達が気に食わないという人はとりわけ多く、場合によっては愛人や浮気相手、結婚後に一晩をともにしちゃったキャバ嬢よりも、元カノや古い友達の方が嫌だ、と心穏やかでいられない人もいるくらいです。 私もかつて恋愛コラムなどをよく書いていた頃、どうして我々はこんなにも彼氏の元カノが嫌いなのか問題についてはアタマを悩ませていたものです。おそらく今現在、夫や恋人と想いが通じ合って盛り上がって色々なものが手に入って、もしかしたら彼の未来をすべて共有できるかもしれない状態にあったとしても、過去だけは手に入らないことが一因ではないかと思うのです。 ■元カノが気になるのは“贅沢病” たしかに彼の現在や未来は今後の相性や努力次第で私たちのものになる可能性はありますが、たとえば出会ったのが大人になってからだとすると、高校時代の彼との甘酸っぱい一コマだとか、大学時代の貧しい同棲生活、若いゆえに楽しくって刺激的な夜遊びデート、みたいなものはどうしたって手に入れることができません。 そして恋愛というのが、無理と分かっていても相手のすべてを欲しくなってしまうというやっかいなものである以上、一番手に入らないもの、そして別の誰かが持っていたものというのはとても歯がゆい欲望の対象なのではないでしょうか。要は、元カノや古い女友達が気になる病というのは、今現在や未来についてかなり満たされている状態であればこそ症状があらわれる、ある意味たいへんな贅沢病とも言えるわけです。 さて、別に原因を分析したところで、気になっちゃう気持ちや気に入らなくていらいらする夜が解消されるわけでもないものです。折り合いの付け方というのは人それぞれ、しかしいくつかパターンがあると思います。私が元カノや古い女友達が気に食わないのはきっと今がとても満たされているからだ、と気持ちを整理してなんとかなるのは第一段階。なかなかそれでは気が収まらない場合には先人の知恵を借りつつ自分なりのストレス軽減の方法を考えるしかないのでしょう。