大正モダンの外観 旧上市郵便局を改修、にぎわい創出へ 岡山県新見市の合同会社がレストラン開設計画
建築リフォームを手がける合同会社アイアール岡山(岡山県新見市高尾)は、JR新見駅近くにある「旧上市郵便局」(同市西方)のリノベーションに取り組んでいる。新たに地元食材が楽しめるレストラン、住民らの交流スペースを備えた建物に再生し、地域のにぎわい創出を図る。完成は12月の予定で、改修費の一部をクラウドファンディング(CF)で募っている。 昭和初期に建てられた築90年以上の旧郵便局は、木造2階延べ約230平方メートル。アーチ形の窓やモザイク模様の壁など大正モダンの外観が特徴で、郵便局の移転後は金融機関などが使用した。しかし、10年ほど前から使われなくなり、老朽化で解体が決まっていたという。 「各所に傷みはあるが、このまま風格ある建物が消えるのは寂しい。駅周辺の盛り上げに活用したい」。同社代表社員で大工の伊田久志さん(53)は、管理者から建物を借り受け、今年1月から工事に着手した。
計画では改修後の運営も担い、1階に千屋牛肉や地元産野菜で作った料理を提供するレストランを開設。2階は多目的スペースとし、住民が会合で利用できるほか、コワーキングスペース(共有オフィス)として創業予定者らに貸し出す。事業費は約3200万円を見込み、大半は自己資金と国や市の補助金で賄う。 伊田さんは「人口減少や空き店舗の増加で寂れている駅前を活性化し、住民や会社員、観光客らが集える場所にしたい」と話す。 CFは山陽新聞社や中国銀行などが運営するCFサービス「晴れ!フレ!岡山」を使い、10月10日まで募集する。目標額は50万円で、2階の内装費に充てる。返礼として、協力者の名前を店舗に1カ月間掲示する。 詳細は専用サイト(https://readyfor.jp/projects/141713)。