母が日本人で那覇市生まれのロバーツ監督「それはいいアイデアだ!」故郷にリトル・ドジャータウン夢プラン
ドジャースのD・ロバーツ監督(52)が5日、生まれ故郷の沖縄・那覇市を訪問し、市役所で那覇市特別栄誉賞を受賞した。授賞式の中で市議会の野原嘉孝議長(62)が市内に「リトル・ドジャータウン」を造る構想をぶち上げると、ロバーツ監督も思いもよらぬ提案に賛同。「それはいいアイデアだ!」と目を輝かせて沖縄愛を爆発させた。大谷翔平投手(30)、山本由伸投手(26)ら日本勢も擁するド軍だけに、夢プランが夢で終わらないかもしれない。 【写真】笑顔でシーサーとの2ショット披露 感慨深そうに口を開いた。那覇市特別栄誉賞を受賞したロバーツ監督は、賞状とシーサーを受け取ると、議場の中心で感謝の気持ちを言葉にした。 「幼い頃に自分が、ワールドシリーズチャンピオンになって、市長らに言葉をいただくことは夢にも思っていませんでした」 母・栄子さんが沖縄出身の日本人で、ロバーツ監督自身も那覇市生まれ。今季ドジャースが、4年ぶりのワールドシリーズ制覇を果たしたことで、生まれ故郷に凱旋。新たな縁が生まれた。 議場で行われた表彰式の中では夢プランもぶち上げられた。那覇高野球部で主将を務めた経験もある野原議長は「那覇市では、1960年代にドジャース戦法を学んでV9を達成した読売巨人軍が毎年2月にキャンプを行っています。そんなつながりもありまして、(市民とドジャース選手が)交流するキャンプや若手を発掘、育成する『リトル・ドジャータウン』が那覇市にあったらいいなと勝手に思っております。どうぞ機会がありましたら球団の社長、大谷選手にも、『こんなドリームを沖縄で聞いたよ』とよろしくお伝えいただけましたら幸いです」と懇願した。 現段階ではあくまで夢プランだが、議会からの提案とあって、ただの空論とも言えない。指揮官が全面協力すれば、大谷や山本が賛同する可能性も浮上するはずだ。約20年ぶりの来日で、刺し身、天ぷら、カレーライス…と日本食を堪能し、表彰式後には首里城観光も楽しんだロバーツ監督も驚きの提案に、「それはいいアイデアだ! 私も協力できる部分では協力したい」と賛成し、気持ちは高ぶった。 市役所では多くの職員、集まったファンから大歓迎を受け、「レッツゴー! ドジャース!」の大合唱も巻き起こった。「沖縄の皆様は家族がすべてであり、感謝の気持ち愛する気持ちをとても大切にしている。私はその沖縄のそういう人柄が私自身にあることに誇りを持っている。私は沖縄の愛する気持ち尊敬する気持ちを仕事の時も生かしている」とロバーツ監督。故郷・沖縄で過ごす時間をじっくりとかみしめていた。(安藤 宏太) ◆市長「名声高めた」 〇…那覇市の知念覚市長(61)は、ロバーツ監督に市特別栄誉賞を贈った理由を「夢と希望を与えるとともに、本市の名声を全国に高めていただいた。臨機応変で柔軟な采配、球場内外で見せる素朴で誠実な人柄、沖縄の光輝く太陽のように明るく屈託のない笑顔に我々、那覇市民は親近感を持ち、うちなんちゅーの誇りを抱くことができました」と説明。指揮官も「沖縄に戻って皆さんに会うことでワールドシリーズがようやく終わった」とうれしそうだった。
報知新聞社