「正直、Netflixに引き抜かれたい」テレビ局員の本音が爆発…プロ野球とメジャーリーグと同じ構図がテレビ業界にも
脚本料は1話300万以上?
「数年前まではYouTubeとテレビを比べる声が多く、いつかテレビはYouTubeに取って代わられるとまで言われていましたが、局員たちはさほど脅威に感じていませんでした。というのも、現状を見ての通り、YouTubeはテレビの下位互換のような存在。 YouTubeで結果を残した人がテレビにも呼ばれるという構造になっていますよね。製作費だって、いくら『テレビはお金がなくなった』と言われていようと、YouTubeとは比べものにならないほど大きいです。 しかし、NetflixやAmazonは逆にテレビの上位互換のような存在になっています。それこそ製作費はテレビと雲泥の差ですし、テレビで結果を残した人がNetflixにいける構造になっているのです」(同・関係者) いまや、地上波のテレビ局が日本のプロ野球で、NetflixやAmazonなどの外資系の企業がメジャーリーグともいえる状況だ。 9月19日よりNetflixで配信されて大ヒット中のドラマ『極悪女王』を手掛けた鈴木おさむ氏は、Netflixの脚本料は地上波の5倍ほどだった明かしている。一般的に、地上波の1時間枠のドラマの脚本料は50~60万円ほど。 となると、鈴木氏は1話あたり推定300万円以上を手にしたことになる。まさに、プロ野球とメジャーリーグの年俸の差のような話だ。 ただもちろん、テレビ局も手を打っていないわけではない。近年、どの局もドラマに力を入れて、製作本数が20年前に比べると2倍ほどになっている。これは、優良な自社コンテンツを増やし、HuluやFODなど、自社が運営する動画配信サービスの有料会員数を増やすためだと言われている。 国内市場での限界を感じ、海外に売れるコンテンツを……という考えもまた、ドラマを増やす要因になっている。 さらに地上波の連ドラの続きを劇場公開するパターンも増えている。以前は、よほど大ヒットしたドラマでなければ映画化されることはなかったが、最近はそこそこのヒットどころか、大コケしたドラマでさえ映画化するパターンもある。 「さすがに大コケドラマの映画化は、もともと映画化ありきで企画が進んでいたためですが、映画化のハードルが低くなっているのは事実です。地上波での広告収入が極端に減っているため、コンテンツに直接お金を払ってもらう映画に頼る必要があるのです。 映画化で顕著なのはフジテレビ月9枠で、2018年から2022年に製作されたドラマ14本(続編は統一して1本とカウント)のうち、なんと5本も映画化されています」