松田るか&中村静香インタビュー “経験”に全力で挑む2人が切り開いていく未来
満足したらたぶんそこで試合終了
──そうやって深く関わってみて、お互いの印象は? 中村:多分ですけど……変に自分を作れないというか、そのまんまの人だと思います。 松田:褒めてる? 中村:褒めてる褒めてる(笑)。すごく接しやすかったもん……というか、これ言っていいのかな。現場で「ジャックナイフ松田」ってあだ名がつきまして……。すごくおきれいな顔をしながら、スパーンと切れ味がいいことを言うから(笑)。でもそれがすごく気持ちが良くて、私は彼女のそういうところが大好きなんです。 松田:でも接しやすさを感じたのは私の方も一緒で。しーちゃん(中村)の方がちょっとお姉さんなんですけど、いい意味でそれを微塵も感じさせない……いい意味でね!(笑) 気さくさがあって、嬉しかったです。実はこの『レディ加賀』のロケが終わった後、2人で東京まで帰ったんですよ。 中村:たまたま東京へ帰る便が一緒だったんだよね。 松田 一緒なら……ちょっと寄ってく?って、金沢で降りて2人でお寿司食べて帰って。よく頑張りました私たち、って(笑)。 中村:特急列車の車内でも2人で日本酒あけてたよね(笑)。 ──それは仲良くなりますね(笑)。初の加賀温泉郷の滞在はいかがでしたか? 中村:最高でしたよ! 松田:本当に! 3つのエリアに分かれてるから本当に「いいとこ取り」なんですよ。海沿いの宿もあれば山間の宿もある。親世代はご飯とお酒と温泉で楽しめるし、海の方に行けばマリンアクティビティもある。3世代で楽しめる場所だなと。 中村:海産物が美味しいし、お安い! みんなでチェーンの回転寿司に行って「やっぱり東京とは違うねー!」って(笑)。 松田:ネタが大きいんだよね(笑)。 中村:もちろんお酒も飲んだし! 昼間っから日本酒飲み比べセットとかで楽しんでましたよ(笑)。 ──そうやって好きになった場所だからこそ、今回の能登地震のニュースには驚かれたと思います。今回、この映画の収益の一部を寄付することが決定されましたね。(※配給収入の5%を石川県に、イオンシネマではチケット1枚に付き100円を令和6年能登半島地震の被災地に寄付) 中村:本当です。それだけ記憶に残っている土地だったので、地震のニュースには本当に驚きました。 松田:こんな時だからこそ、エンターテインメントの力を信じたいというか……ただお客様が観てくれるだけでも、石川県の、被災地の助けになるのであれば、何かしらの力になれるのかな、と思えます。 ──松田さんは昨年の『ミーン・ガールズ』、今年の『ハネムーン・イン・ベガス』など本格ミュージカル作品への出演が相次いでいて、近年はお仕事の局面がまた変化している時期なのではと思っています。今のご自身の現在地をどう思われますか? 松田:うーん、私はまだ自分自身には納得がいってないですね。いや、満足したらたぶんそこで試合終了なので……私は自分が出た映画や舞台に自分が満足してしまった瞬間、この仕事を辞めると思うんですよ。 だから私はずっと自分には満足してないです……って、私、餓鬼みたいなこと言ってます? 中村:え? ガキ? 松田:いや、餓鬼。 中村:あ、そっちね、びっくりした(笑)。 松田: ふと後ろを向いたときに、よかった、頑張れてるなみたいなのが軌跡として残っていて。でもとにかく来たものに全力で当たって、撮ったものを見たときに「ここもうちょっとやれたな」とか、「ここの言い方、他にもあったよな」とか、そういう反省点がいっぱいあって……ていうのが続いてます。 中村:ロケのときに一緒にカラオケに行ったんですけど、すっごく歌が上手なんですよ。マイク離さないタイプなんですけど(笑)。でも、ミュージカルはすごく合ってると思う。 松田:でも実は、映画の撮影のときはまだミュージカル出演の話とか全然来ていないときで。あのときにウィンくんに「ミュージカル出てみたい」って話してて、そうしたら昨年出演することができたんですよ。達成することができたという。 中村:本当に羨ましいですよ。私も、歌が上手く生まれたかった(笑)。