知床観光船沈没、運航会社と社長に15億円賠償求めた訴訟の第1回口頭弁論は来年3月に決定
北海道・知床半島沖で2022年4月に起きた観光船「KAZU I(カズワン)」の沈没事故を巡り、乗客の遺族ら29人が運航会社「知床遊覧船」と社長の桂田精一被告(61)(業務上過失致死罪で起訴)に計約15億円の損害賠償を求めた訴訟で、札幌地裁は20日、第1回口頭弁論を来年3月13日に開くことを決めた。 【写真特集】扉が開いたまま海に沈んだ「カズワン」
被告側はすでに請求棄却を求める答弁書を提出している。桂田被告は「個人に対する賠償義務は認められない」とし、法人としての同社も「請求額が過大だ」などとして争う方針だ。
カズワンは22年4月23日午前10時頃、天候悪化が予想される中で斜里町のウトロ漁港を出発。知床岬で折り返した後、午後1時20分過ぎに沈没した。乗客24人のうち18人と船長(当時54歳)、甲板員(同27歳)の計20人が死亡し、行方不明となった乗客6人も後に死亡届が提出された。