朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国」...写真を発見した孫が「衝撃を受けた」理由とは?
祖父のカメラを使う
スライドが撮影されてから約75年、ウィーバーはようやく祖父の韓国での体験を垣間見ることができた。「祖父はあそこで過ごした時間を記録したかったらしい。でも同時に、戦争中であっても美しい何かを探していたようだ」と、ウィーバーは言う。 「祖父は韓国の人々の生活や風景、従軍中に見た動物の写真をたくさん撮った」 平和部隊の一員としてルワンダで過ごした経験がある元美術教師のウィーバーは、祖父の写真の素晴らしさに「衝撃を受けた」と言う。 「75年たっても色彩は完璧に保たれている。多くの人々にぜひ見てもらいたい」と、ウィーバーは語る。 「スライドには、私が予期しなかった芸術性がある。特別なものを見つけたとすぐ分かったし、私にはこの写真を守る責任があるという気持ちになった。そして(人々に)見てもらえて、末永く保存される場所を見つけなければ、とも思った」 ジョシが平和主義者の衛生兵だったと知ったことで、ウィーバーにとって写真はさらに魅力的なものになった。「祖父は戦争に全く興味がなかった。(写真には)それがよく表れている」と、ウィーバーは言う。 「人々の個性を捉えることにひたすら集中していたと思う。まるで写真を撮ることで、自分の目の前の現実から逃れようとしていたかのようにね」 ウィーバーは写真をセントルイス公共図書館に預けるという。同図書館では、それをオンラインデータベースに加え、研究者や朝鮮戦争に関心を持つ一般の人々が利用できるようにする予定だ。 図書館司書は国立公文書館や韓国の戦争記念館に連絡を取り、これらの写真に興味があるかどうかを確認するそうだ。 「来年の朝鮮戦争開戦75周年を記念して、写真をプリントして展示会を開きたい」と、ウィーバーは付け加えた。「展示会の場所は未定だが、必ず開催したい」 その一方で、ウィーバーは祖父の足跡をたどりたいと考えるようになった。「祖父のカメラと機材は手元に保管することにした。フィルムを買って、使ってみようとしているところだ。(カメラが)第2の人生を生きているのを見たら、祖父も喜ぶと思う」
ジャック・ベレスフォード(本誌記者)