潜在能力は高いのに…『ドラゴンボール』未来悟飯が人造人間に勝てなかったのはナゼ?
■師匠がいない
次は悟飯を鍛えられる師匠がいなかったことだ。これが一番大きいといえるだろう。悟飯にとてつもない潜在能力が眠っているのは、ラディッツと戦った幼少期から証明されている。 悟飯が成長してからそれを活かせたのは、すぐれた師匠の存在が身近にあったからこそだ。悟空は悟飯の才能を見抜いていたからこそ、セルを倒せるのは悟飯だけだと信じていた。そして、戦いの最中に何度もアドバイスをして、その潜在能力を最大限に引き出し覚醒へとつなげた。 悟飯が単純に怒りだけで覚醒できるのなら、最悪の未来にいる悟飯でも覚醒できたはずだ。それができなかったのは、超サイヤ人までが悟飯がひとりでたどり着ける限界だったのかもしれない。 悟飯は悟空との修行によって、すぐに超サイヤ人になることができた。しかし未来トランクスの世界線では、その方法を教えてくれる悟空はいなかった。だとすると、悟飯は悟空と同じように自力で怒りをきっかけに超サイヤ人になったと思われる。 しかし、それ以上の成長は望めなかったのだろう。本編の世界線での悟飯は精神と時の部屋で、悟空と一緒に修行をして超サイヤ人以上の力を手に入れる結果となったからだ。 悟空は早々に超サイヤ人のさらなる進化にたどり着いていたので、サイヤ人のパワーコントロールを知り尽くしているといえる。そんな悟空がいない状況は、かなりの痛手となったに違いない。
■修行相手がいない
最後は、修行相手がいないということも挙げておこう。未来トランクスの世界線では、悟飯とトランクス以外の戦士は殺されてしまった。 そこからも基本的には修行をひとりでするしかなかったと考えられる。悟飯は過去の流れを見ていてもひとりで強くなれるタイプではない。悟空やベジータはストイックなので、ひとりで強くなっていくが。 しかも超サイヤ人に修行をつけられる相手も限られてしまい、あの世界線でそれができるとすれば、殺される前のベジータくらいだろう。ただ、ベジータは自らの手で敵を倒すという考えの持ち主だから、あまり良き修行相手になってくれたとは思えない。 そして、ベジータたちが死んでからはトランクスとふたりきり……。彼が超サイヤ人を習得してからは練習の相手をさせたこともあっただろうが、それまでは相手にならなかったはずだ。そもそも、あれこれ教えるのが大変で自分の修行どころではなかったかもしれない。 ひとりで修行するのが苦手な悟飯と、それに付き合える相手がいないという負の連鎖なので、強くなれなかったのも無理はない。 悟空が死んだ後の未来悟飯は、誰よりも強い潜在能力を持っていたはずなのにそれを活かしきれなかった。その一番の理由は、悟空がいなかったことだろう。 父親である悟空だからこそ悟飯を一番理解していて、覚醒の手助けをすることができた。改めて悟空の存在の大きさが身に染みる……。
大山元