ランドセルで恩返し 珠洲・飯田小の今春卒業生、31個を途上国へ
●国内外から支援受け 珠洲市飯田小を3月に卒業した中学1年生10人が中心となり、ランドセル31個が発展途上国の子どもたちに贈られることになった。能登半島地震で受けた国内外からの支援を今度は恩返ししたいとの思いからで、生徒と保護者が16日、同校で箱詰め作業に取り組んだ。生徒は思い出が詰まった品との別れを惜しみ、いつかはランドセルを介した縁がつながり、使った人と会える日が来ることに期待を込めた。 ランドセルの寄贈は生徒の保護者が提案した。箱詰め作業には10人のうち、金沢市と白山市の学校に通う2人を含む9人が集まった。ランドセルには保護者が英文で記した手紙が添えられ、支援に対する恩返しであることなどが記された。 飯田小を今春卒業したのは14人で、ランドセルが被災した家の下敷きとなり、取り出せなかった人もいるという。このほかに正院小や蛸島小の卒業生をはじめとする市内の中高校生や社会人からも協力が得られ、計31個が集まった。 ランドセルは国際子供友好協会(千葉県佐倉市)を通じて発展途上国に届けられることになっており、珠洲ロータリークラブの協力を受けた。 珠洲市緑丘中1年の濱琉乃介さん(12)は「自分のように勉強が楽しいと思ってもらえればうれしい」と笑顔を見せた。金沢市金石中1年の貞隆大(さだたかひろ)さん(13)は「小学校の卒業後は誰かに使ってもらいたかった。地震で支援してもらった恩返しにもなる」と話した。