【社会人野球】日本製紙石巻が4年ぶり6度目の都市対抗切符…伊藤大造監督「言葉が出ないです。よく戦ってくれた」
◆都市対抗野球2次予選東北大会▽第2代表決定戦 日本製紙石巻(石巻市)9―8七十七銀行(仙台市)(12日・きたぎんボールパーク) 第2代表決定戦で日本製紙石巻(石巻市)が七十七銀行(仙台市)に9―8で競り勝ち、4年ぶり6度目の都市対抗野球(7月19日から12日間、東京ドーム)出場を決めた。今年1月に就任した伊藤大造監督(57)が選手一人一人に詳細な役割を与え、“適材適所”で戦うことを徹底。投手陣も野手陣も期待に応え、結果を残した。東北地区からは日本製紙石巻と、11日の決勝に勝利したJR東日本東北(仙台市)の2チームが出場する。 最後まで苦しんだ分、喜びも大きかった。日本製紙石巻の選手たちから、最高の笑顔がはじけた。1点差まで詰め寄られながら逃げ切り、9日の準決勝で敗れた相手にリベンジして4年ぶりの都市対抗切符ゲットだ。伊藤監督は「言葉が出ないですね。よく戦ってくれました」と選手たちをたたえた。 3回終了時で0―4とリードを許す苦しい展開。それでも4回に4安打を集めて同点に追いつき、6―6で迎えた8回にベテランコンビが試合を決めた。2死一、二塁から3番・水野隼翔中堅手(30=桐蔭横浜大)が逆転の左前適時打を放つと、その後2死満塁で5番・中嶋政弥二塁手(32=大阪学院大)が右翼線へ2点適時二塁打を放ち3点差をつけた。 「みんながつないでくれたので、何とか打ちたかった」と水野が話せば、中嶋政は「今までは自分が決めなきゃ、と思っていたけど、今はみんなでつないでいく流れになっていて、どんどん良くなっていった」と振り返った。つないでいく意識こそ、指揮官が植え付けたものだ。 大会前に選手たちへ、起用法などの役割を細かく伝達。また実戦形式の練習を増やし、あらゆる状況に対応できるよう準備を重ねてきた。この一戦も左打者に対して左投手を起用するなど7投手の継投。「長いイニングを抑えられる投手がいないから」と伊藤監督。救援起用は短いイニングに限定し、勝っている場合は登板順を固定するなど力を出しやすい状況をつくっていった。「想定通りという場面が多くて、練習でやってきたことをやるだけだった」と中嶋政。“適材適所”で責任感を持った選手たちが力を発揮した。 4年ぶりの都市対抗に向けて「(東京)ドームでもまれてきますよ」と笑った指揮官。全国舞台でも一人一人が役割を果たし、勝利をつかむ。 (有吉 広紀)
報知新聞社