自転車で福島盛り上げよう 「チャリ部」発足、愛好家と地元つなぐ
浜通り地方を中心に福島県全体を自転車文化で盛り上げようという愛好家有志が「福島チャリ部」を結成した。24日、いわき市から富岡町までサイクリングで訪れるなど30人以上が富岡に集まり交流した。県は新地町からいわき市までの約400キロで国の「ナショナルサイクルルート」指定を目指しており、草の根から情報発信する。【錦織祐一】 ◇愛好家らが結成 地元の機運醸成目指す 「福島復興サイクルプロジェクト」代表の野田翔一郎さん(35)はPwCコンサルティング(東京)時代の2017年から被災地復興事業に携わり、富岡でのブドウ栽培のボランティアなどにも参加。昨夏には富岡でコンサル会社を創業し、今年7月には自ら富岡に移住した。自身もサイクリストで、周辺に自転車店がなかったことから、JR富岡駅西側に自転車店を来年夏にもオープンさせる。 浜通り地方は、24年9月に初開催されたロードレース大会「ツール・ド・ふくしま」の舞台となるなど、平たんなコースと風光明媚(めいび)な景色を生かして自転車での地域活性化を目指す。今年にはナショナルサイクルルートのモデルルートとなり、指定に向け一歩前進したが、大会を開催する際にコースを案内したり交通規制したりする運営ボランティアの確保や地元住民の機運醸成などが課題だった。 「福島チャリ部」は野田さんらが中心となり10月にフェイスブックグループとして発足した。運営ボランティアの確保の場とするのに加え、本格的なロードバイクから「ママチャリ」まで幅広い自転車文化を官民でネットワークすることを目指している。 24日は、県ロードバイク愛好会の22人がいわき市からツーリングで富岡を訪れ、地元で有名なタイ料理店のカレーをテークアウト。自転車店のオープンに向けて「サイクルラックを手作りしましょう」などの声も上がり、今後、富岡を拠点に交流を深める。愛好会の飯島慎介代表(49)は「ナショナルルートの活用にはユーザーの視点と地元の皆さんの理解が欠かせない。『チャリ部』がそういう交流の場となればと期待しています」と話していた。