福井県内で発掘された恐竜の全身骨格などが人気を集めている「発掘　恐竜王国展」＝7月22日、東京都渋谷区の新宿高島屋

　福井県で発掘された恐竜の全身骨格などを展示する「発掘　恐竜王国展」が夏休みに合わせ、東京都渋谷区の百貨店「新宿高島屋」で開かれている。福井県と高島屋の連携による恐竜展は初の試み。県は本年度、北陸新幹線延伸を機に首都圏で恐竜ブランドの発信に力を入れており、「誘客力にはまだ伸びしろがある」と期待する。 【写真】子供に大人気の体験コーナーは… 　新宿高島屋には、フクイラプトル、フクイサウルス、フクイベナートルの全身骨格が登場。ライトアップされた全長最大約5メートルの標本は迫力満点で、多くの家族連れや恐竜ファンがカメラを向けていた。 　ティラノサウルス（幼体）やフクイベナートルのロボット、壁面に投影された地層のアニメーションから化石や恐竜が現れる「バーチャル発掘体験」のコーナーは小さな子どもに大人気。展示を監修した福井県立恐竜博物館（勝山市）の担当者は「今回のターゲットは子どもたち。まず『恐竜って何？』というところから恐竜王国福井に関心を持ってもらいたい」と狙いを語る。 　高島屋での恐竜展は、夏休み期間中に愛知県名古屋市（7月31日～8月12日）、大阪府大阪市（8月14日～9月2日）の店舗にも巡回する。このほか、県は本年度、大手マスコミなどと連携する形で、東京・お台場や横浜市内でも恐竜展を展開。6月末には、東京ドームでの巨人戦に合わせて「恐竜王国」をアピールするイベントも行った。 　県立恐竜博物館は、県内主要観光地の一つで、昨年7月14日のリニューアルオープン後、1年間の入館者数は過去最高の118万154人を記録した。関西からの来館者が約3割で最も多く、関東からは18・2％と2割に満たない。北陸新幹線延伸後の約4カ月間（3月16日～7月13日）に限ると、関東からの来館者は21・3％に伸びている。新幹線効果がうかがえ、県は首都圏での恐竜ブランドの確立に力を入れる。県魅力創造課恐竜戦略室は「首都圏での恐竜の認知度はまだ十分でなく、PRすれば今後の誘客につながる可能性がある」としている。