日本酒とタコスとジャンルレス料理 初めての味を体験できて 心も癒やされるカウンター【鎌倉】
ボーダーレスな料理に合わせるのは日本酒!?
ここでは合わせるお酒は、たいてい日本酒。最近、シェフのフミさんが日本酒に凝っていて全国各地から料理に合うものを選んでくるので、ぜひ、おすすめを聞いてみるといいですよ。ゴージャス食材&ブッラータチーズに合わせたのは、「上喜元」で知られる山形県の酒田酒造の「愛山」純米大吟醸。 日本酒は、今まで純米酒推しでしたが、ここでその思いはガラッと変わりました。 最近、お燗にするのも流行りだと聞いていましたが、自分の舌でしかと確かめてみるのは大事ですね。あっさり、降参というか、そうですよね、と思える組み合わせが出てくるから、次々ペアリングしてしまいそうになって危ない、危ない。 最近のシェフのお気に入りはこちら。どれもやさしい口当たりで、どこかしらフルーティーさも。だけど、甘すぎずキリッとした感じも忘れない、フミさんの料理に通じるものを感じるセレクト。 日本酒以外にもワインやスパークリング、焼酎、ウィスキー、ジン、テキーラと、お酒の幅も広くて楽しめます。
看板メニューは注文ごとに皮から作るタコス
注文が入ってから皮をのばして焼き上げ、たっぷり具材をのせてくれるお店の名物、タコス。 写真のトッピングは1種類ですが、3種盛りもあり、Sサイズで1,700円、Mサイズで2,300円で、牛ハラミのカルネアサーダと、豚肉のカルニータス、それから魚貝のフリットがそれぞれモリモリ。 その日によってのせる具材は微妙に変わります。というか、メニュー自体も、毎日変わるので、同じものに巡り会えることはそうそうない! あれがまた食べたいな~と思うこともありますが、次に寄ったときに新たなものをいただいちゃうと、単純なもので、もうそっちの虜になってしまう。だから、毎日変わるっていうのはやっぱり楽しくていいんです!
味のひらめきは思いっきり遊んだあとのシャワーで
フミさんの料理は素材の組み合わせの妙、ソースとの合わせ方、盛り付け、すべてから目が離せない! 毎日変わるメニューで仕込みも相当大変だと思いますが、一体いつこういった料理を考えているのかなぁと、あるときうかがってみたところ。子どもと思いきり遊んだあと、シャワーを浴びると思いつくんだそうです。 つまり、無になったところで滝に打たれて的な!? なんとも素敵な発想の源にもグッときちゃいました。おっとりしたフミさんの料理はていねいでやさしい味わい。 そういえば、最初にうかがったときにパスタをオーダーしたら、急にパスタマシーンが出てきて麺を打つところから始まったのには驚きました(これがモチモチでうまい! )。そういう無心で、熱心なところに圧倒されまくり! 一度行ったらそんな魅力にも引き込まれること間違いなし、です。 クリスマスの時期(12月22~24日)にはスペシャルディナーが、お正月には限定で3段のおせち(23品入り)も受付中。ですが、そろそろいっぱいかなぁ。間に合わなかったら、すみません。また来年のお楽しみということで心に留めておいてくださいませ。 早口でせっかちな私ですが、シェフと話すとゆるっと気持ちが休まります。いつもおいしい料理とお酒をありがとうございます! オープンから間もなく2年。記念日は2月3日だそうです。どんだけ~! でもそういうところもお茶目でいいですよね。 23(ニジュウサン) 所在地 神奈川県鎌倉市御成町14-6 ウランブル鎌倉1 電話番号 0467-38-7078 営業時間 12:00~14:30(L.O.)、17:00~22:30(L.O.) 定休日 不定 Instagram @nijyu_san_official 赤澤かおり(あかざわ・かおり) 料理雑誌の編集部を経て、フリーランスに。料理と旅の編集者として活動。料理本のほか、30年以上通い詰めるハワイについての執筆、単行本編纂も多数。近著に「人生にはいつも料理本があった」(筑摩書房刊)。
赤澤かおり