岡宮来夢、念願の『ロミオ&ジュリエット』出演「愛されるロミオになりたい」
20代後半の5年間を大切にしながら
2.5次元舞台などミュージカルを出発点に、最近ではストレートプレイなど作品の幅を広げて意欲的な活動を見せている岡宮。あらためてミュージカルへの思いを聞いてみた。 「その名の通り『ストレート』で歌がない分、ストレートプレイはその場で生きる人間としての言葉がどれだけまっすぐ出るかが大事だと思います。ミュージカルは、歌を歌うなんて日常生活だったら結構不自然なことなのに、それでもなぜ歌うのか。例えば、思い出の曲を聴いて『故郷を思い浮かべちゃうんだよね』とか、失恋ソングを聞くと『一回落ち込むけど、その後元気が出るなぁ』とかいうことが起こりますよね。音楽って、そういう人の心を動かす力があると思うんです。台本から読み解いたことを自分と重ね合わせて演じながら、音楽の力によってお客様にどう感じてもらうかを大切にしたい」 歌うことが好き、演じることが好き、とまっすぐな目で語る岡宮。5年間の活動を通してどのような手応えを得て、この先どのような俳優であることをめざすのだろう。 「正直、手応えはあるようでないというか、どの作品でも『まだまだだな』って自信をなくすことが多いんです。初日が明けるまでは怖いですし。でも、怖いからこそていねいに準備もするし、稽古や本番の中で以前はできなかったことができるようになっているとも感じる。だから成長はしているんでしょうね。僕はたぶん好奇心が人一倍強いので、やってみたいことはたくさんあるし、出たいと思っている作品もあります。舞台はもちろん映像作品にも出てみたいし、もっともっと歌もお芝居も上手くなりたい。25歳の僕が今後どういう俳優になっていくかは、20代後半の5年間がとても大事。自分がスキルアップして、また人間として自分を深めていくことによって、お客様に楽しんでもらって次の日からまたがんばっていくための活力になるのだと思います」 彼の翼は彼自身を、そして観客の私たちをどこへ導くのだろう。その大きな一歩となる公演は、6月10日(月) まで東京・新国立劇場 中劇場にて上演。その後、愛知・大阪公演あり。 取材・文:金井まゆみ <公演情報> ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』 原作:ウィリアム・シェイクスピア 作:ジェラール・プレスギュルヴィック 潤色・演出:小池修一郎(宝塚歌劇団) ロミオ:小関裕太/岡宮来夢 ジュリエット:吉柳咲良/奥田いろは(乃木坂46) ベンヴォーリオ:内海啓貴/石川凌雅 マーキューシオ:笹森裕貴/伊藤あさひ ティボルト:太田基裕/水田航生 死:栗山廉(K-BALLET TOKYO)/キム・セジョン(東京シティ・バレエ団) キャピュレット夫人:彩吹真央 乳母:吉沢梨絵 ロレンス神父:津田英佑 モンタギュー卿:田村雄一 モンタギュー夫人:ユン・フィス パリス:雷太 ヴェローナ大公:渡辺大輔 キャピュレット卿:岡田浩暉 ほか 【東京公演】 2024年5月16日(木)~6月10日(月) 会場:新国立劇場 中劇場 【愛知公演】 2024年6月22日(土)・6月23日(日) 会場:刈谷市総合文化センター 【大阪公演】 2024年7月3日(水)~7月15日(月・祝) 会場:梅田芸術劇場メインホール