阪神淡路大震災から20年 ── 鉄道被害状況・その後を振り返る(鉄道ライター・伊原薫)
20年を経ても残る、記憶と爪痕
あれから20年。神戸の街は一見、あの地震がウソであったように復旧を遂げました。しかしながら、地震で倒壊し仮復旧されたままの阪急神戸三宮駅や、高架橋や駅舎が丸ごと再建されたJR六甲道駅を通るたび、あの震災が実際の出来事だったことを思い出します。 震災を受けて、鉄道の地震に対する安全対策も大きく変わりました。高架柱の補強や落橋対策、駅舎の設計に対する考え方、地震の揺れを検知して列車を止める仕組みなども研究・改善が進められ、2004年の新潟県中越地震や2011年の東日本大震災でも被害の軽減に役立ちました。今も、東日本大震災の教訓を生かして、更に安全な鉄道となるべく、日夜研究がなされています。 地震大国・日本にとって避けられない道。だからこそ、日々の備えとともに「今地震が起こったらどうすればいいのか」を、改めて見直したいと思います。 (文/伊原薫/鉄道ライター) ■伊原薫(いはら・かおる)大阪府生まれ。京都大学大学院・都市交通政策技術者。(一社)交通環境整備ネットワーク会員。グッズ制作やイベント企画から物書き・監修などに取り組む。都市交通政策や鉄道と地域の活性化にも携わっている。好きなものは103系、キハ30、和田岬線、北千住駅の発車メロディ。