山口馬木也【3】米農家兼映画監督の熱烈ラブコールに大感激!
■自分が京都で教わったことを若い人たちに
10月27日(日)まで新橋演舞場で「劇走江戸鴉~チャリンコ傾奇組~」(脚本・演出:横内謙介)にお奉行・朝山伊右衛門之丞役で出演中。 ――舞台公演に加え、映画のヒット御礼舞台挨拶もあって忙しい毎日が続いていますね 「はい。僕も果たして大丈夫かと思ったんですけど、演出が横内謙介さんという、僕も大好き方で、そこに出てくる若い人たちもエネルギッシュだし、そこを固める歌舞伎俳優の方や新派の方がいらっしゃる。 それで、若い人たちに僕が京都で教わった所作とかを教えて…という光景があるわけですよ。僕が歩んできたのと同じような光景が。それにまた感動しちゃって、やっぱりまだ続けてやっていけるって思えて。だから、今いる現場にいられて本当に良かったなって思います」 ――山口さん演じるお奉行さまも自転車で花道を走りますが、花道の幅は意外と狭いので怖くないですか 「見ている方のほうが怖いと思います。やっている方は意外と大丈夫です(笑)」 ――花道を全力疾走する場面もありますね。それで、お奉行さまは最後までいい人なのか悪い人なのかわからない 「そう。横内さんの仕掛けですよね。で、どこかで若い人たちと年齢がいった人たちがリンクするところがあって。政治に対する皮肉も込められていて、本当にエンターテインメントとしてそういうところも攻めているし、面白い作品だなって思います」 ――結構長丁場ですね。私は日曜日に拝見させていただいたのですが、その日は昼夜2回公演でした 「そうですね、結構2回公演が続きます。体力的にはしんどいですけど、何とかギリギリ体調を維持して若い人に負けないようについていこうと思っています」 ――今後はどのように考えてらっしゃいますか 「何も考えてないです。今考え途中です。ただ、前は仕事が来たら、求められているんだったら何でもやりたいと思っていたんですけど、これだけいろんな方に『侍タイムスリッパー』を見てもらって、『面白い!面白い!』って言ってもらうと、何か別の責任感が出てきちゃっていて。 でも、これが正しいかどうかもわかってないですけど、僕は来た仕事はとりあえず全部時間が合えばお受けしたいし、やりたいなって思っています。この映画の効果もあって、来年のお仕事も結構いただけているんですよね。ありがたいことに」 ――私の周りだけでも映画のリピーターがいっぱいいますよ 「その現象が不思議で、びっくりしちゃいます、本当に。お客さんに聞くと、何か会いに来る感覚なんですって。よくわかってないんですけど、本当にありがたいなあって思います」 醸し出す雰囲気、言葉の端々にも誠実さが感じられ、スクリーンの高坂新左衛門と重なる。「侍タイムスリッパー」の勢いはとどまるところを知らず、現段階で全国309館の拡大公開が決定。さらに増えそう。舞台公演に加え、ヒット御礼舞台挨拶の忙しい日々がまだまだ続く。(津島令子)
テレビ朝日