海外投資家の日本株売りは、これからが本番? 米利下げが遠のきシナリオ変更 18年ぶり高水準、信用取引の買い残にも警戒
【兜町地獄耳】 証券ライター ついに日本株市場の下落が始まったな。売っているのは海外投資家か? 投資顧問会社幹部A 米国の6月利下げが遠のいたこともあって、海外投資家はシナリオの変更を余儀なくされているそうだ。年初から、しこたま買っていた日本株を売るとのウワサもある。 投資会社社員B ただ、18日に発表された東証の「投資部門別売買動向」によると、4月第2週は、海外投資家は2週連続の買い越し。一方で、日本の個人投資家は3週ぶりに売り越していました。 ライター なるほど。海外投資家の日本株売りは、これからが本番になる可能性もあるわけか。 社員B 5月に向けて、「セル・イン・メイ」(株は5月に売れ)のアノマリー(経験則)も意識されそうですね。 幹部A といっても、「セル・イン・メイ」は4月に株が高いという大前提のアノマリーだからなあ。 ライター 年初から、下落らしい下落はなかったから、新NISA(少額投資非課税制度)で、今年から株を始めた個人投資家はびっくりしてるんじゃないかな。 幹部A そうだろうね。特に、新NISAでは米国株に投資している個人は多い。NYダウなんかは、4月からの13営業日で、日足チャートで陽線だったのはわずか1日だけ。残りの12日間は、すべて陰線になっている。 社員B 新NISA口座で買っていればまだいいですけど、なかには信用取引に手を出して、連日の追証が発生している株初心者も多いみたいですよ。「追証ってなんですか?」っていうレベルの投資家たちです(笑)。 ライター そういえば、信用取引の買い残が4兆6000億円近くまで膨れ上がったという報道もあったな。なんでも18年ぶりの高水準らしい。 幹部A 信用取引の買い残は、近い将来の売り圧力になるから、警戒が必要だな。それらがある程度、整理されないと、「セリングクライマックス」は来ないかもしれない。 ライター 「お前が売った、そこが底」ってやつか。そう考えると、なかなか損切りもできないな。