【100歳の100の知恵】この歳になれば、身体に不具合があるのは当たり前。今まで未知だった《病気》や《病院》を観察し、おもしろがって
101歳の長寿を全うした生活評論家、吉沢久子さんが日々の生活のなかで見つけた「幸せに生きる方法」「暮らしのアイデア」「簡単に作れるおいしい料理」は今の時代を生きる上でもヒントがいっぱい。エッセイ集『100歳の100の知恵』(中央公論新社)から吉沢さんの極意を1つずつ紹介します。 * * * * * * * <100歳の100の知恵 85> ◆『病気とも好奇心でつきあう』 体が丈夫で病気とはほとんど縁なくきましたが、さすがにここ数年、不調が出てきました。 ふらふらすると思ったら、肺に水がたまり、貧血も起こしていたのです。心臓も、ちょっと問題があるようです。そこで定期的に短期入院をして、肺の水を抜いて輸血もしています。 この歳になると、身体に不具合があるのは当たり前。心臓だって100年近く動き続けてきたのですから、少々くたびれるのは当然です。 だったら今まで未知だった「病気」という状態や、病院の人々の様子などを観察して、おもしろがってしまおう、そんな気持ちでいます。 すると看護師さんのしゃべり方ひとつとっても、それぞれ違っていて、なかなかおもしろいのです。「へぇ、こんな話し方をするんだ。どこの出身だろう」などと想像してみたり、ちょっと尋ねてみたりしています。 一日中、寝間着でいると気持ちが後ろ向きになると気づいたのも、入院したおかげです。 入院中の自分を観察したおかげで、きちんとしなくてはいけないと、改めて自分を戒めることもできました。
吉沢久子
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