現場で学ぶ「食品ロス問題」 都内大学生ら農業体験 喜界島
都市部の学生が地方での農業体験を通じ、地域経済の活性化を学ぶ社会貢献型インターンシップ「クラダシチャレンジ」が7月20~26日、鹿児島県喜界町で行われた。東京から大学生、大学院生の男女4人が参加。マンゴーの収穫支援や食品加工、住民や地域おこし協力隊との交流を通じ、島の魅力を体感しながら離島が抱える農業の輸送課題や担い手不足、食品ロス問題への理解を深めた。 町は昨年12月、SDGs(持続可能な開発目標)推進にかかる食品ロス削減に向け、日本エアコミューター(JAC)、食品ロス問題へ取り組む通販サイト運営のクラダシ(本社東京)と連携協定を締結した。インターンシップは協定に基づく取り組みの第1弾。6泊7日で同町赤連の「高岡果樹園」、佐手久の「SONTAR GARDEN」でマンゴーの収穫や糖度測定、ドライマンゴーへの加工体験を行った。 東京農業大学4年の勝俣葵さん(21)はフードロスをテーマとしたゼミに所属し、将来は農業をなりわいに都外への移住を検討中。「採れたてのマンゴーは甘さが凝縮されていて、試食では参加者全員で『幸せ』と繰り返した。一方で船の欠航で輸送のタイミングを逃し、待つ人の元へ届けられない大量のマンゴーを見て消費者も農家さんももどかしいだろう、ドライマンゴーへの加工は欠かせないと実感した」と振り返った。 意見交換会を通じては「環境が自分に合うか、移住先が本当に好きで住みたいかを自分で見極めることが重要」とかみしめ、「客室乗務員や島民のおもてなしに何度も触れ『また会いたい』と思える場所だった。喜界島の魅力は言葉では伝わらず、ぜひ多くの人に現地で感じてほしい。〝喜びの島〟以上の〝幸せの島〟だと思う」とコメントした。