〈おむつ代〉も対象!「医療費控除」の対象になる〈介護費用〉が驚くほど広範囲だった【経済ジャーナリストが解説】
はじめて「親の介護」に直面したとき、何をどうすればよいかわからず戸惑う人も多いことでしょう。「親に合ったいい介護を受けるためには、いいケア・マネを選ぶことが大切」と、“家計の専門家”として活躍する経済ジャーナリストの荻原博子氏はいいます。荻原氏の著書『老後の心配はおやめなさい』(新潮社)より、介護にまつわる費用面や、知っておきたい「医療費控除」について、詳しく見ていきましょう。 都道府県「遺産相続事件率」ランキング…10万世帯当たり事件件数<司法統計年報家事事件編(令和3年度)>
介護に直面したら、まず「ケア・マネ」を確保
いきなり「親の介護」に直面すると、なにしろ初めてのことなのでどうすれば良いのかまったくわからずに戸惑ってしまうという人は、多いことでしょう。 けれど、心配ありません。介護に直面したら、まず確保したいのは、知識が豊富な介護の水先案内人。それが、ケア・マネージャー(以下、ケア・マネ)です。 介護は、家族だけで対処するのは難しいものです。自治体で介護認定を受けたら、ケア・マネに相談します。ケア・マネは、介護を必要とする方の相談を受け、介護サービスの計画書(ケア・プラン)を作成し、利用するデイサービス事業者などとの連絡や調整をする介護の専門家です。 親に合ったいい介護を受けるためには、いいケア・マネを選ぶことが大切です。役所でも紹介してもらえますが、自分で気に入った人に頼むことができます。では、ケア・マネを上手に選ぶには、どうすればいいのでしょうか。
「ケア・マネ選び」で重要な7つのポイント
(1)インターネットで情報収集 厚生労働省が運営する「介護事業所・生活関連情報検索」には事業所のリストがあり、事業所で聞くと、ケア・マネのこともわかります。経験豊富な方と、若いやる気のある方のどちらがいいかは一概には言えませんが、参考にしてください。 (2)クチコミ情報を集める かかりつけの病院の医師や看護師、ソーシャルワーカー、あるいはデイサービスを利用中のご近所や、ヘルパーとして働く知人などに、実際に評判のいいケア・マネを聞いてみましょう。 (3)担当利用者数が多過ぎない ケア・マネを選ぶひとりのケア・マネが、40~50人の利用者を担当していることもあります。担当数があまりにも多いとそれぞれの利用者に関わる時間は、少なくなります。担当人数はケア・マネに聞けば教えてくれます。 (4)専門知識の豊富なケア・マネを選ぶ 介護保険について詳しいのは当然ですが、病状の進行や、介護保険以外で生活支援などを行うボランティア団体についても、詳しいかどうか質問してみましょう。 (5)さまざま事業所を紹介してくれるケア・マネを選ぶ 多くのケア・マネはデイサービスの事業所などの介護施設に所属していますが、自分の所属先を紹介するのがケア・マネの仕事ではありません。利用者から出された条件を吟味し、希望に沿ってさまざまな選択肢を提供してくれる知識と経験が豊富な方を選びましょう。利用者に合わせて介護事業者を選んでくれるケア・マネなら、その経験からたくさんの施設を知っているはずです。 (6)気持ちに寄り添ってくれるケア・マネを選ぶ いいケア・マネほど利用者を多く抱え、多忙です。それでも、丁寧に家族の話を聞いてくれる方を選びましょう。人柄も大切です。 (7)利用開始後も変更可能 あとから問題が見つかりケア・マネを変えたい場合は、自治体の窓口に相談してください。いつでも変更できます。