「遅せぇよ!」岸田派、7カ月越し“いまさら”解散届提出に怒り噴出“先延ばし”で得られるせこすぎるメリットとは
9月3日午後、自民党の岸田派(宏池会)は政治団体の解散届を総務省宛てに提出し、67年の歴史に幕を下ろした(解散日は9月2日付)。 【お坊ちゃん育ち】岸田首相の「ロレックス」 宏池会は、1957年に池田勇人元首相が設立し、大平正芳氏、鈴木善幸氏、宮沢喜一氏そして岸田氏と5人の首相を輩出した自民党きっての大派閥だった。 しかし、自民党の派閥パーティー券収入をめぐる裏金事件の発覚を受けて、当時会長だった岸田文雄首相は2023年12月に派閥を離脱。2024年1月にほかの派閥より先んじて、岸田派の解散を決めた。 今回の解散届の提出は、4月26日に最初に解散した森山派に次いで2例めとなる。政治部記者が話す。 「2024年1月に岸田派を皮切りに、安倍派、二階派、森山派が解散を表明しました。その後、茂木派も4月に解散を決めましたが、まだ安倍派、二階派、茂木派からは解散届が提出されていません。 茂木敏充幹事長は、9月3日の会見で『既に派閥の事務所の方は閉鎖をいたしました。今、残務処理等の手続きを早期に進めているところでありまして、それが出来次第、解散手続きに入りたいと思っております』と話しています。 森山派は残った資金を所属議員で分配しましたが、岸田派は残った資金を党本部に寄付しました」 それにしても岸田氏が、2024年1月18日に派閥の解散を表明してから7カ月以上も経過していたことには、“先延ばし感”をぬぐえない。 Xでも、同様に手続きの遅さを批判する投稿が相次いだ。 《遅せぇよ!!》 《やっとですか?遅すぎる位です》 《えええ、まだ解散してなかったんですか》 こうした、解散手続きが遅くなっている理由について、政治部デスクはこう話す。 「派閥の解散届の提出が遅いのは、表向きの理由として、茂木派からは『派閥の事務所の解約手続きに数か月かかる』といった声が聞かれており、岸田派も解散前は『派閥の財産を1円単位まで清算しきらなければならず、手続きに膨大な時間がかかる』と話していました。 まだ解散届を出していない安倍派の議員から、森山派が財産を所属議員全員で分け切って解散届を出したことについて『所属7人だからできたこと』と皮肉めいた意見もあるように、さまざまな清算の取り決めや、手続きに時間がかかるのは事実のようです」 前出の政治部デスクは作業の煩雑さには理解を示すものの、こう指摘する。 「ただ、茂木派の事務所解約手続きなどは、いくらなんでも半年はかかりすぎという疑念や、資産の始末なども集中的に議論すれば瞬時に解決できるとの声もあります。 総務省へ解散手続きを出すまでなるべく時間をかけて、派閥の緩やかな連携を保ち続けたいという姑息な思いもありそうです」 やはり、やる気の問題ではないだろうか。