速報「なに撮影するか知らなかった」「とても耐えられない状況」母親が無罪主張 すすきの殺人
札幌・すすきののホテルで2023年7月、男性の首を切断し、頭部を持ち去った事件で逮捕・起訴された親子3人のうち、母親・田村浩子被告の初公判がきょう(2024年6月4日)札幌地裁で開かれました。
札幌地裁前には、傍聴席50席に対して350人以上が並びました。 起訴状によりますと、浩子被告は2023年7月、娘の瑠奈被告(30)が殺害し切断した当時62歳の男性の頭部を自宅に隠すことを容認し、頭部を損壊する様子をビデオ撮影するよう瑠奈被告から頼まれ、それを修被告に依頼して遺体の遺棄や損壊を手伝ったとされる死体遺棄ほう助と、死体損壊ほう助の罪に問われています。
午後3時から開かれた1回目の裁判で、検察官が起訴状を読み上げた後、浩子被告は裁判長に認否を尋ねられると、「手助けするつもりは全くなかった」などと起訴内容を否認しました。 続けて浩子被告は、「自宅に頭部があることを知った時には、すでに頭部は浴室にあった」とし、頭部を自宅に隠すことを「容認したことは違います」と話しました。
ビデオ撮影については、「ビデオ撮影を求められたが、何を撮影するかは知らず、助けを求めるつもりで夫に依頼した。容認していない。とても耐えられない状況だった」などと涙ながらに語りました。 弁護側は「警察に通報や娘を出頭させなかったものの、頭部が自宅にあると知っていることをもって、ほう助とは言えない」などと浩子被告の無罪を主張しました。
一方、検察側は「事件前に瑠奈被告が被害男性から性的トラブルを受け、殺意を募らせていたことを認識していた」と指摘し、娘の犯行を容認したと主張しました。 この裁判では、頭部を自宅に遺棄し、損壊した瑠奈被告の行為を容認したとされる浩子被告に、「ほう助」という犯罪が成立するかが争点となります。 事件をめぐっては、娘の瑠奈被告が殺人などの罪で、父親の修被告(60)が殺人ほう助などの罪で起訴されていて、今回の裁判で事件の経緯がどこまで明らかになるのか注目されます。