『Inscryption』内容を知らない状態で遊んでほしい。先の読めない展開と独特の演出で世界中で好評を集めたデッキ構築型のローグライクゲーム【夏のおすすめゲームレビュー】
ファミ通の編集者が2024年夏のおすすめゲームを語る連載企画。今回紹介するゲームは、世界中で多くの賞を獲得した『Inscryption』(インスクリプション)です。 【記事の画像(1枚)を見る】 ※本企画は、週刊ファミ通2024年6月20日号(No.1852/2024年6月6日発売)の特集“編集者38人それぞれが選ぶいまオススメしたい38のゲーム”をWeb用に調整したものです。 世界三大三代川のおすすめゲーム 『Inscryption』 対応ハード:Nintendo Switch、プレイステーション5、プレイステーション4、Xbox Series X|S、Xbox One、PC発売日:2021年10月20日発売メーカー:Devolver Digital価格:2050円[税込]『Inscryption』Steamページ ※Nintendo Switch版は2022年12月1日発売で2310円[税込]、PS5、PS4版は2022年8月31日発売で2310円[税込] (ゲームカタログ対応)、Xbox SeriesX|S、Xbox One版は2023年4月11日発売で2350円[税込]。 【こんなところがおすすめ】: カードゲームをやっていたはずなのにおかしなことになる人に勧めたいのに内容を言いたくなくて頭を抱えたくなる終わったらずっと関連ワードで考察を読み漁りたくなる このカードはあなた(プレイヤー)に話しています 紹介したくない。本当は紹介したくないのだ。 本稿を読み始めて未プレイだけど興味があるのならば、もう終わろう。いますぐストアで買って遊んでほしい。それだけで今回の私の役目は終了になる。それくらい内容を知らない状態で遊ぶほどに本作は楽しめる。それだけの楽しさと驚きが待っている。『Inscryption』はそんな言いたいけど言えないことの詰まったゲームというわけだ。 「本当にいいの?」。記事冒頭の画面写真に写っているオコジョのカードが話しかけてくる。プレイヤーに。カードがプレイヤーの選択に疑問をていしてくるゲームなんて、これまでにあっただろうか。ほかにもカード選択の場面で「俺がおすすめだ」と提案してきたり、カードを合成する場面で「やめてくれ!」と叫んだりする。これはあくまでほんの一部。この奇妙な世界でくり広げられるのは、ちょっと変わったカードゲーム……だけでなく、ゲームは予想もしない意外な方向へと広がりを見せる。 『Inscryption』は日本を含め、世界中で多くの賞を獲得したゲーム。2022年には桜井政博氏らゲームクリエイターが選ぶ、東京ゲームショウの“ゲームデザイナーズ大賞”も受賞している。ベースはいわゆるローグライト(引き継ぎがある)のカードゲーム。デッキを組み替えながら戦っていくものだ。 ちょっと違うのは、前述のようにカードがしゃべったり、対戦場である机から離れて周囲を歩いたりできること。カードゲームなのに机から離れて何をするのかと言えば、部屋の探索だ。部屋には時計を始め、いろいろ調べられるオブジェがある。これは一種の脱出ゲームのようで、謎を解くと、新たなカードとともにストーリーの謎が解けたり増えたりする。 ここまで説明すれば十分だろう。このゲームには、体験したことがない数々の驚きがある。アドベンチャーゲーム、脱出ゲーム、ARGあたりが好きな人で未体験ならば、絶対に遊んでほしい一本だ。 最後にもうひとつだけ。 この下の実写画像も、本作のとあるシーンの一部。彼はゲームを紹介するYouTuberだ。“Lucky Carder”と検索すれば、実際に彼のYouTubeチャンネルも見つけられるし、動画も観られる。そして、彼が手に持っているカードゲームは……。あとは遊んでみて。