マルチプレーヤーになったソフトバンク野村大樹が1軍合流へ「ダントツで調子がいい」と〝絶好調宣言〟「あの人の分も打てるように…」
◆ウエスタン・リーグ 阪神4―3ソフトバンク(2日、鳴尾浜) ソフトバンクの6年目・野村大樹内野手(23)が4日の中日戦(バンテリンドームナゴヤ)から1軍へ合流することが2日、明らかになった。この日のウエスタン・阪神戦でも「3番・二塁」でスタメン出場し、4回に右中間突破の三塁打を放つなど2安打をマークし「ここ最近では、ダントツで一番調子がいい」と野村大も〝絶好調宣言〟。今季からはファームで外野の守備にもつくなど、内外野とも可能なマルチぶりも発揮しており、柳田悠岐が不在のチーム状況の中とあって、パンチ力あふれる打撃と、器用な守備力が評価され、待望の今季初昇格となった。 ■〝大物俳優〟がペイペイドームのマウンドに!?【写真】 「すごく燃えています。めっちゃ調子がいい時に1軍に上げていただけるんで、そのまま継続してやっていきたいです」 直近の3カード・8試合で、27打数10安打の打率3割7分。トータルでも2割7分に乗せ、ウエスタンの打撃十傑内をキープしている。 「初球から振れている。自分の中で全部ストライクゾーンに来たところを、タイミングを合わせて振れているところが、一番いいのかなと思います」 好調の要因をこう自己分析したように、打席での積極性が、好結果に結びついている。この日の第1打席は1回1死二塁の得点機。3ボールからの4球目を迷いなく振り抜き、中飛に終わったが、バックスクリーン手前まで届く大きな、鋭い当たりだった。第2打席の4回1死では、阪神・マルティネスの初球、145キロ直球を右中間へ運ぶ三塁打。一邪飛の6回も、1ボールからの2球目、続く8回の中前打も阪神の左腕・岩貞の初球、134キロスライダーをセンターへはじき返して「あのヒットは良かったです」と満足げ。 1点を追う9回、ヒットなら同点の2死二塁では遊ゴロに終わったが、打球の質、方向性、さらに好球必打の姿勢てをトータルして、松山秀明2軍監督は「きょうはホントによかった。彼の持ち味はセンター、右方向に打球が飛び出したら、状態が上がってくる。ちょうどいいタイミングで調子が上がってきましたね。これが続いていくようにしてほしい」と〝1軍昇格に際しての〝エールと注文〟を送った。 内野手登録だが「選択肢が増えるなら、やりたいという気持ちがすごく大きかった」と今季からは外野にも挑戦中。鳴尾浜の3連戦でも初戦と2戦目はレフトで先発出場した。この日は二塁でフル出場したが、牧原大成、三森大貴が相次いで戦線離脱中だけに「セカンドがホントにいない。もともと彼もプロに入ってきた時、ファーストとセカンドの練習は僕がコーチの時にたくさんさせているので、そこは素人じゃないですから」と松山2軍監督は野村大の二塁守備にも太鼓判を押す。もともと定評のあったパンチ力ある打撃に加えて〝内外野可能〟なプレーヤーに成長を遂げた今だからこそ、柳田不在のチーム状況では、野村大のような存在がフィットするともいえる。 「チャンスでもありますけど、ギーさん(柳田のこと)には、すごく優しくしていただいていて、めっちゃいい人なんです。あの人のためにも頑張りたいとホントに全員が思っていると思うんで、あの人みたいに打てるかは分からないですけど、あの人の分も打てるように、あの人が抜けても勝てるように頑張りたいという気持ちは、すごくあります」 強い決意を胸に、今季初の1軍昇格。マルチプレーヤーに生まれ変わった背番号55が放つ、その〝新たなる輝き〟に要注目だ。
西日本新聞社